2019年7月26日号 Vol.354

夏の野外無料フェスティバル
上質なセレクション誇る
「リンカーンセンター・アウト・オブ・ドアーズ」


Lalah Hathaway


Jeff Tweedy


Jesus Carmona (Photo by Marcos G Punto)


リンカーンセンターが主催する恒例の野外イベント「リンカーンセンター・アウト・オブ・ドアーズ」が7月24日(水)から8月11日(日)まで、ダムロッシュパークを会場に開催される。米国内で最も長く続いている夏の野外フェスティバルで、コンサート、ダンス、映画、ファミリーイベントなど、多彩なプログラムが全て無料で楽しめる。
開場は公演の1時間前、席は先着順。

1968年から1973年まで、黒人による黒人のためのバラエティー・トーク番組「ソウル!(SOUL!)」がテレビ放映されていた。黒人の芸術、音楽、地域社会の紹介だけでなく、政治や社会正義、差別との闘いの場でもあった。同番組を手掛けた黒人のエリス・ヘィズリップは1972年、リンカーンセンターと協力し、ジャズやゴスペル、R&Bなどをフィーチャーしたイベントを開催。当時としては画期的な試みだったが、ニーナ・シモン、シスター・ロゼッタ・サープ、アイク&ティナ・ターナー、ラベルなど錚々たるメンバーが出演し大成功。ブラック・カルチャーをプレゼンしたリンカーンセンター初のイベントとなった。
そんなリンカーンセンターの歴史とヘィズリップに敬意を表し、今年はブラック・カルチャーを祝う。キックオフの7月24日(水)は、「ソウル・アット・ザ・センター」と題し、ソウル・シンガーのレイラ・ハサウェイ、R&Bシンガーのベイビー・ローズ、ポップデュオのザ・イラストリウス・ブラック、バリトンのルーズベルト・アンドレ・クレジットなどがパフォーマンスする。

7月25日(木)は、ラテンフュージョン・バンドのラ・サンタ・セシリアと、親子ユニットのマリアッチ・レアル・デ・メキシコが登場。情熱的なラテン音楽を聴かせる。
公演後には、ピクサー・アニメーション・スタジオ製作による「ココ(邦題:リメンバー・ミー)」が、スペイン語・英語字幕で上映される。

7月26日(金)は、ジャズがベースのチェロ奏者でシンガーのヘレン・ジレットと、シカゴのオルタナロック・バンド 「ウィルコ(Wilco)」のフロントマン、ジェフ・ トゥイーディーが登場。大人の音楽を聴かせる。

8月7日(水)は、バルセロナのダンサーで芸術家のヘスス・カルモナが登場。完璧な動きとバレエを融合、スペイン舞踊への情熱を感じさせる圧倒的なパフォーマンスに定評がある。
また、スーフィー(イスラム教の神秘家)の伝統と、ロックの精神を組み合わせたアローヤー・アフタブが、神秘的な世界を披露する。
全スケジュール詳細は、ウェブサイトで確認を。

Lincoln Center Out of Doors
■7月24日(水)~8月11日(日)
■会場:Damrosch Park
 62nd St.
 bet. Amsterdam & Columbus Aves.
■参加無料
LCOutOfDoors.org



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