2019年7月26日号 Vol.354

自然が背景の野外シアター
「ハドソン・バレー・
シェイクスピア・フェスティバル」


ボスコベル邸の庭に設置された特設テント(Photo by William Marsh)


今年33回目を迎えた「ハドソン・バレー・シェイクスピア・フェスティバル(HVSF)」。ハドソン・バレーの中心部、ギャリソンに位置する歴史的建造物「ボスコベル邸」の庭園、特設テントで行われる夏の恒例野外公演だ。
今年のメイン演目は4作品。シェイクスピア作品から、2組のカップルが結ばれる過程を描いたロマンスコメディ「空騒ぎ」(Much Ado About Nothing)と、ブリテン王シンベリンの王女、イモージェンを中心としたロマンス劇「シンベリン」(Cymbeline)が上演される。
ほかに、HVSFのメンバー、ジェイソン・オコーネルとブレンダ・ウィザーズによる「シラノ」(Cyrano)は、大きな鼻を持つ17世紀のフランス人作家で兵士の物語。
「イントゥ・ザ・ウッズ」(Into the Woods)は、198 7年にブロードウェイで初演されたミュージカル。パン屋の夫婦が呪いを解くために訪れた森で、シンデレラや赤ずきん、ジャックと豆の木、ラプンツェルなど、童話の主人公たちに出会い、さまざまな事件が起こる。
HVSFの醍醐味は、やはりその「会場」だろう。役者が演じるスペースを3方面から観客席が囲み、遠景には山並みが見える。太陽が沈み暗くなっていく様子が、物語をドラマティックに盛り上げる。
短いニューヨークの夏、風光明媚なシアターで、多彩な人間ドラマを楽しみたい。

Hudson Valley Shakespeare Festival
■9月8日(日)まで
■会場:HVSF Theater Tent
 Boscobel House and Gardens
 1601 Route NY-9D
 Garrison, NY
■$10〜 ※無料イベントも有
hvshakespeare.org


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