2020年7月24日号 Vol.378

全米他州で感染拡大
NY州、NJ州、CT州による移動勧告対象州が31州に


アメリカの感染者率が増えている州を示した図。7月20日の定例会見で


NY州をはじめ、北東部の州がいくら安定していても、全米他州での感染拡大には警戒が必要だ。クオモNY州知事は7月21日、他州からNY州、NJ州、CT州への訪問者に対する移動時基準勧告をより厳しくした。これまでの22州からミネソタ州を対象外とし、さらに10州を追加。合計31州(以下)となった。

アラバマ、アーカンソー、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、ジョージア、アイオワ、アイダホ、カンザス、ルイジアナ、ミシシッピ、ニューメキシコ、ノースカロライナ、ネバダ、オハイオ、オクラホマ、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、ユタ、ウィスコンシン、アラスカ、デラウェア、インディアナ、メリーランド、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ノースダコタ、ヴァージニア、ワシントン州(7月21日時点)。

これらの州からNY・NJ・CTの3州への来訪者(3州居住者で、一時的に対象州に移動した場合も含む)に対し、対象州を離れた日から14日間の自主隔離を要請。また、3州に移動するために対象州を一時的に通過する場合(24時間以内)は対象外。例えば、飛行機・バス・鉄道の乗り継ぎ、車・バス・鉄道の休憩施設での停車などが該当する。違反者には罰金(NY州は初回2000ドル、2回目5000ドル、それ以上1万ドル)を科すと発表されている。

さらにNY州では、対象州からNY州へ飛行機で移動する者は、機内で配付される所定の用紙に自宅住所、州内での滞在先・連絡先等を記入し、到着時に空港で州職員に提示することが義務付けられる。従わなかった場合には、2000ドルの罰金の上、事情聴取の後に強制隔離となる場合もある。

また、NY州への電車、バス、車などで移動する者も、州保健局の用紙に同様の情報を記入して提出しなければならない。州のウェブサイトでオンライン入力(別記①)することができる。氏名、性別、生年月日、連絡先、NY州への到着日、移動手段、コミュニケーション言語など、詳しく問われる。

対象州は変動するため、最新情報は「トラベル・アドバイザリー」のウェブサイト(別記②)で確認を。

別記① https://forms.ny.gov/s3/Welcome
別記②トラベル・アドバイザリー
covid-19-travel-advisory

NY市・NJ州で
増える若者の感染


市内の新規感染者数、入院者数、死亡者数が引き続き減少、安定する一方で、20・30代の感染者数の増加が懸念されている。ビル・デブラシオNY市長は、その年代の市民を対象に、予防への広報活動を徹底する姿勢を示すため、職場など、屋内でも可能な限りマスクを着用することを要請したガイドラインを発行した(自宅は対象外)。

NJ州でも、若年層の陽性率が急増している。18〜29歳の感染者数は、4月は12パーセントだったのが、6月は22パーセントに。若者の入院件数も多く、感染が落ち着いたからといって油断せず、感染防止のための取組みを続けるよう、フィル・マーフィー知事は州民に呼びかけている。

また同州では、通勤者が増えてきたのに伴い、7月15日からニュージャージー・トランジットなどの公共交通機関での乗車率制限を50パーセント以下に制限。利用する際は、必ずマスクを着用することとしている。


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