2020年7月24日号 Vol.378

NY州全域で再開!
ルールを守り安全に

7月20日、ニューヨーク州で最後となったニューヨーク市がフェーズ4に移行。これで州全域の経済が再開した。ここではフェーズ4の状況を検証するとともに、9月からの新学期や感染拡大が進む全米他州への対策などについておさらいしておこう。


7月20日の定例会見で正式にフェーズ4移行を宣言したクオモNY州知事(Photo © governorandrewcuomo)


NY州、学校再開への基準

現在、米北東部のどの州も、9月からの新学期に向けてコロナウイルスの感染状況を注意深く観察している。ニューヨーク・トライステートはいずれも、新規感染件数、入院患者数、死亡者数が安定して低水準で推移しているが、全米他州の感染拡大が大きな懸念要素だ。

クオモNY州知事は学校再開について州の基準を設定。経済再開のフェーズ4に移行していることが第一条件で、その上で直近14日間平均で地域のコロナ感染陽性率が5パーセント以下なら学校を再開。直近7日間平均で地域の陽性率が9パーセント以上となれば学校を閉鎖するとしている。

この基準に基づき、8月第1週をめどに、学校の再開についての判断が発表される予定だ。

レストランの営業基準を強化
「スリーストライク制」


フェーズの段階にかかわらず、アルコールを含む食事の提供は「着席」が原則だ。NY市内のレストランやバーは、フェーズ4に移行しても、引き続き屋外のみの営業となる。同時に、屋外での飲食許可は、10月31日まで延長された。

そんな中、ソーシャルディスタンシングを守らず営業するレストランが多いことから、NY州はルールを強化。アルコールの提供を「食事をオーダーした場合のみ」へと変更した。また、3度、違反したレストランは一時的に営業停止となる新条例「スリーストライク制」を導入。すでに、アストリアの「ブリク・アストリア」は、近隣住民からの苦情や通報もあり、指導を受けている。

「スリーストライク制」は7月19日時点でNY市のみに適用されているが、今後の状況により適用地域が拡大される。

地下鉄・バスは通常運行

MTAの地下鉄とバスは、フェーズ1に移行して以来、通常運行に戻っている。ただし感染予防のため、新しいガイドラインを設定。地下鉄は清掃のため午前1時から午前5時まで閉鎖し、代わりに同時刻のバス運行を強化した。

現在、バスは「後方ドア」からの乗車で、料金無料。M TAでは、運転席の周囲に「防護シールド」を設置し、以前同様に前方から乗車できる体制を整えている。シールドが取り付けられた車両では8月から、通常通り前方から乗車することで、料金を徴収する。具体的な日程は決まり次第発表される。
地下鉄・バスともに、利用者にはマスク着用を義務付けている。


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