2021年7月23日号 Vol.402

JSオンライン上映
大林的戦争三部作
戦争を知らない若者へ

「この空の花 長岡花火物語」

ジャパン・ソサエティー(JS)で7月9日(金)から8月6日(金)まで、大林宣彦監督の戦争3部作をオンラインで上映する「Tragedies of Youth: Nobuhiko Obayashi's War Trilogy」が開催中。

昨年4月10日、肺がんのため82歳で他界した大林監督。「映像の魔術師」と敬愛され、ホラー映画「ハウス」(1977年)は、海外でもカルト的な人気を誇っていた。

今回上映されるのは、監督自らが「大林的戦争三部作」と名付けた、「この空の花 長岡花火物語」(2012年)、「野のなななのか」(2014年)、「花筐/HANAGATAMI」(2017年)の3本。戦争体験者が減っていく現状を憂い、「戦争を知らない若者のために制作した」という。



この空の花 長岡花火物語
2011年夏、熊本の地方紙記者、玲子が新潟・長岡を訪れる。中越地震を乗り越えて復興し、東日本大震災の被災者をいち早く受け入れた同地の取材が目的だった。もうひとつ、音信不通だった元恋人から「長岡の花火を見てほしい」という便りが、玲子を駆り立てていた。

「野のなななのか」

野のなななのか
「この空の花 長岡花火物語」の姉妹編ともいえる作品。舞台は北海道芦別市。95歳で死去した元病院長・鈴木光男の葬儀に、親族たちが集まる。そこに現われた謎の女・清水信子によって、光男の過去が明らかになっていく。青春時代、初恋、敗戦後の凄絶な体験が浮かび上がる。タイトルの「なななのか」は、四十九日の意。

「花筐/HANAGATAMI」

花筐/HANAGATAMI
1941年の春、アムステルダムに住む両親の元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母の元に身を寄せた17歳の榊山俊彦。3人の学友、肺病を患う従妹、女友達たちと、青春を謳歌していた。純粋で自由な時間は儚く、次第に戦争の渦に飲み込まれてゆく。

配信はビデオ・オン・デマンド、再生開始から72時間。詳細はウェブサイト(別記)で。

Tragedies of Youth:Nobuhiko Obayashi's War Trilogy
■8月6日(金) まで
■配信:HDビデオ・オン・デマンド
https://film.japansociety.org
■視聴料:1作品$10、全3作品$24


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