2019年7月12日号 Vol.353

カンフー、ダンス、音楽の融合
「ドラゴン・スプリング・フェニックス・ライズ」


Photo by StephanieBerger


カンフー、ダンス、音楽を融合させた「ドラゴン・スプリング・フェニックス・ライズ(DSPR)」が、ハドソンヤードにオープンした話題のシアター「ザ・シェッド」で上演中だ。
物語は、カンフーの戦士たちが不死のエリクサー(万能薬)である「ドラゴンスプリング」を守る秘密宗派、ハウス・オブ・ドラゴン(フラッシングにあるという設定)から始まる。
ロータスは、父・ローンの厳格な教育に反抗、魅力的な億万長者であるダグ・ピンセと恋に落ちる。やがてロータスは双子を出産するが、「悪意」が彼らを引き裂く。別々に育てられた双子だったが、偶然の出会いが互いを引き寄せる。だが、運命の波は彼らを戦いへと飲み込んでいく。

監督は中国生まれで、現在はニューヨークを拠点とするシー・ゼン・チェン。脚本はアニメ映画「カンフー・パンダ」のジョナサン・エイベルとグレン・バーガー。そして前後左右だけでなく上方にもスペースを求め、立体的にストーリーを展開させ、印象的なセットデザインを手掛けたのが舞台美術家の幹子・鈴木・マクアダムス氏だ。
兵庫県出身の鈴木氏は、93年にイェール大学で美術修士号を取得。02年からニューヨークを拠点に活躍し、これまでブロートウェーを含む80以上の作品で舞台美術を担当している。
「舞台美術では、物語が存在する空間を作りますが、舞台はあくまでも演出家のスペースです。舞台美術家は、演出家が俳優と一緒に物語を作ることをサポートする仕事だと思っています」と鈴木氏。常に演出家と意見を戦わせながら、舞台を作り上げていく。 「舞台は写真などで残せるとは言え、その時に経験しないと意味がないと考えています。評論家に見せるために作っているわけではないので、どなたにでも観に来ていただきたいです」と続けた。

DSPRは、スピーディーなカンフー、ダンス、音楽、照明が見事に融合した舞台だ。

Dragon Spring Phoenix Rise
■7月27日(土)まで
■会場:The Shed
 545 W. 30th St.
■Tel: 646-455-3494
■上演時間90分
■$25〜
theshed.org



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