2020年7月10日号 Vol.377

BLM路面スローガン
NY市内7ヵ所で
「ブラック・ライブズ・マター」ストリート・ミューラル


NY市内で初となったブルックリンのBLMストリート・ミューラル (Photo by KC of YOMITIME)


白人警官が黒人のジョージ・フロイド氏を殺害したことに対する抗議運動のひとつ、路面に「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter:黒人の命も大切だ)」を描く活動は世界規模に発展。NY市でも6月、ブルックリンとスタッテンアイランドの路面に、黄色の巨大なスローガンが誕生。 市ではこれらに加え、5ヵ所で同様のストリート・ミューラルを描くことを計画している。

ローワーマンハッタン


3ヵ所目はローワーマンハッタンで、7月2日(木)から制作がスタート。センター・ストリート上で、マンハッタン市庁舎からニューヨーク最高裁判所までの間。これまでの「黄色文字」ではなく、一文字ずつが異なるデザイン。アーティストや建築家がデザインしたカラフルで独創性に富んだ構図は、「命を失った人々への記念碑」であり、「正義を貫く人々への祝辞」だという。


ローワーマンハッタンのBLMストリート・ミューラルは、一文字ずつ異なるデザイン(Photos By KC of YOMITIME)





ハーレム

4ヵ所目はハーレムで7月3日(金)から制作開始。場所はアポロシアターの近く、アダム・クレイトン・パウエル・ジュニア・ブルバード上で、125丁目から127丁目の2ブロック間。中央分離帯の両側に「Black Lives Matter」と描かれた2つのミューラルは、黒人コミュニティー「ハーレム」を写し込む。

ひとつは、「ソウルカラー」または「アフリカン・アメリカン・フラッグ」と呼ばれる「赤・黒・緑」で色分けされたもの。

もうひとつは、文字内に、人種差別に抗議する意味合いを持つ「突き上げた拳」や、「I CANT BREATHE. AM I NEXT?」といったメッセージ、ミネアポリスの警官がフロイド氏を押さえつけていた8分46秒を示す「8:46」など、彼らの叫びが描かれている。


黒人コミュニティー「ハーレム」の叫びが描かれた(Photos By KC of YOMITIME)




トランプタワー前

ビル・デ・ブラシオNY市長は、BLMストリート・ミューラルをマンハッタンのトランプタワーの正面、5番街に描くと発表したところ、トランプ大統領が「憎悪の象徴だ。その予算を犯罪と闘うために使え」と非難。予定していた7月2日からの作業を延期していたが9日、黄色で大きく BLACK LIVES MATTER と描かれた。

場所は5番街、57丁目と56丁目の1ブロック間、5車線の内およそ1車線を使用。当日は、ブラシオNY市長と妻のシャレイン・マクレイ夫人、運動家のアル・シャープトン氏らがボランティアと共に作業。まさにトランプタワーの真正面だ。

デ・ブラシオ市長は、「これは国全体へ向けた重要なメッセージだ。この言葉を一度も尊重したことがない大統領に、ぜひ聞いて欲しい」とコメントしていた。


7月9日、トランプタワー前で制作開始にはブラシオNY市長とシャレイン・マクレイ夫人、シャープトン氏も参加した (Photo by nycmayorsoffice)


1ブロック内に描かれたBLMストリート・ミューラル(Photos by KC of YOMITIME)



Black Lives Matter Street Mural
●ブルックリン
■場所:Fulton St.
 Bet. Marcy Ave. & Brooklyn Ave.

●スタッテンアイランド
■場所:Richmond Terrace
 スタッテンアイランド区長舎前

●マンハッタン
・ローワーマンハッタン
■場所:Centre St.
 Bet. Worth & Reade
・ハーレム
■場所:Adam Clayton Powell Jr. Blvd
 Bet. 125th to 127th St.
・ミッドタウン
■場所:725 5th Ave.
 (トランプタワー前)

●クイーンズ(予定)
■場所:153rd St.
 Bet. Jamaica & Archer Aves

●ブロンクス(予定)
■場所:Morris Avenue
 Bet. 161st and 162nd Sts


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