Ellsworth Kelly, Painting in Three Panels, 1956 © Ellsworth Kelly Foundation. Photo by Ron Amstutz; Courtesy Glenstone Museum
アメリカのお金持ちといえば、職種を問わずアート作品を集めている人が多い。作品の多くは、いずれ有名美術館に寄贈されたり、オークションで売却されたりするものだが、近年は、自ら美術館を立ち上げる人(夫妻)が増えてきた。ニューヨークのフリック・コレクションやモーガン・ライブラリーなど、20世紀初頭に頻出した富豪美術館の再来である。
Ellsworth Kelly, Yellow Curve, 1990 © Ellsworth Kelly Foundation. Photo by Ron Amstutz; Courtesy Glenstone Museum
常設作品ばかりか、エミリー館長の企画による特別展も注目である。この夏は、モノクロームの抽象画で知られるエルズワース・ケリー(1923〜2015)の生誕100周年を記念する回顧展が登場。夫妻の蒐集品のほか、欧米の美術館から借り出された代表作が揃い、絵画、彫刻、ドローイング、写真など、70年近いケリーのキャリアを網羅する構成となっている。