2018年6月29日号 Vol.328

アツキ・セッタンジェリ個展
「サムライ・スピリット-黎明」
どう生き、何を成し遂げたいかを問う

アツキ・セッタンジェリ個展
「SAMURAI SPIRIT No.069」Samurai Woman 2018


画家・セッタンジェリ首藤あつきの個展「サムライ・スピリット-黎明」が、7月6日(金)から13日(金)、ローワーイーストサイドのアートスペース、ホワイトボックスで開催される。
首藤にとって、サムライの生き様は彼にとって至極の美。「あなたは人生をどう生きるのか、また何を成し遂げたいのか」――首藤が展覧会を通じて、ニューヨークの人々に問いかける。
首藤によると侍は、六徳である「考・忠、信・義・仁・礼」に従って人生を全うしたという。首藤は、「侍の鎧を見ただけでも独特の緊張感、恐怖、仏像と同様の誇り高い精神性を感じ、まるで彼の生き様を叱責されているかのように思える」と話す。
この侍の精神を絵画として現代に甦らせることで、首藤は資本主義に基づく現代人の生き方に疑問を投げかける。侍にとって大切な価値は精神性であり、決して金銭や物ではなかった。首藤もまたアーティストとして作品を制作し、権力、金銭、名誉よりも、言葉にならない魂の叫びをぶつける。
キュレーターを務めるのは佐藤恭子。二人のコラボは初めてで、今回は女性の侍を世界初公開する。侍の時代は男性によって牽引されていたが、巴御前(源義仲の側室)、甲斐姫(豊臣秀吉の側室)など、気高い精神を持った女性の武者も存在したことが知られている。
首藤は16歳のとき、1984年第34回全日本学生油絵コンクール・デザイン部門で大賞を受賞。90年多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業、宇佐美圭司・爽子に師事。2011年、個展「展示神明:セッタンジェリ首藤あつきの世界」を、首相公邸での正月イベントとして開催。2013年、ブルックリンのオウチ・ギャラリー主催「百人展」で準優勝している。

■7月6日(金)〜13日(金)日曜休
 オープニング・レセプション:
 6日(金)6:00〜8:00pm
■会場:WhiteBox
 329 Broome St #1
■TEL: 212-714-2347
whiteboxnyc.org



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