2021年6月25日号 Vol.400

JSバーチャルシネマ
原一男・小林佐智子全作上映中

奥崎謙三の姿を追った「ゆきゆきて、神軍」The Emperor's Naked Army Marches On. 1987. Directed by Kazuo Hara. Courtesy Kino International Corp./Photofest.

ジャパン・ソサエティー(JS)がバーチャルシネマプログラムとして、6月4日(金)から7月2日(金)まで、疾走プロダクション(原一男、小林佐智子)の全作品をオンライン上映している。2021年が疾走プロダクション50周年であることを記念してのイベントだ。

原一男は、日本のドキュメンタリー映画作家の第一人者。小林佐智子は、プロデューサーであり、原の人生のパートナーとして、映画を共同製作してきた。

時代の寵児と言われる人々を対象にした二人の映画は、人間の複雑で計り知れない根底の有り様を深く追求している。世界的な評価も高い。



最も知られた作品「ゆきゆきて、神軍」=写真=では、第二次世界大戦の戦争犯罪を背負った奥崎健三の、向こう見ずな人生をとことんまで描き、戦争犯罪を暴いていく。

二人は、庶民と権力者の挟間にある困難な状況、苦闘を記録していくことに人生を捧げてきた。その疾走プロダクション50周年に敬意を表し、今回のバーチャルシネマでは、1972年制作「さようならCP」から2020年の叙事詩的最新作「水俣曼陀羅」まで全作品をオンライン上映する。

劇映画の「またの日の知華」など、上映機会が少なかった作品もラインナップされている。

■7月2日(金)まで
■上映:Japan Society HP
https://film.japansociety.org
■鑑賞料金:1作品につき$10〜30


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