2018年6月15日号 Vol.327

映画「ビハインド・ザ・コーブ」
「偏りなく捕鯨の背景伝える」と評価
NYの映画祭で「審査員特別賞」受賞

八木景子監督
受賞した八木監督(左)と主催者


ニューヨークで5月25日から29日に開催された「国際映画製作者映画祭」で、日本からエントリーした捕鯨問題反証映画「ビハインド・ザ・コーブ」(八木景子監督、2015年、105分)が、審査員特別賞を受賞した。
この映画祭は社会問題に特化しており、世界中からさまざまなテーマの作品が集まる。「ビハインド・ザ・コーブ」は、捕鯨と戦争のつながりを描いた作品だ。今回の受賞理由として、これまで知られなかった捕鯨の歴史的背景を伝えた教育的側面を持つことと、捕鯨に対する意見を偏りなく伝える、そのバランスの良さが挙げられた。
5月28日の上映会会場には、反捕鯨活動家もおり、八木監督に「イルカを殺す場面を見たことがあるか」の質問が投げられた。それを受けて八木監督は、「反捕鯨団体から見せてもらった。イルカ・鯨に限らず、動物が殺されるのを見るのは辛い。反捕鯨映画『ザ・コーヴ』は、イルカを殺すシーンを映すのなら、他の動物を殺すシーンも同様に映さなければならない」と返答。
上映会には、ニューヨーク和歌山県人会の岩上裕会長も駆けつけていた。太地町がある和歌山県出身者として、「この映画を作ってくれたことに感謝する」と述べた。


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