2018年6月15日号 Vol.327

染色の荒井健・染織の増山紀代
海外初展示「Our Road」

作品


日本を代表する染色作家・荒井健と染織作家・増山紀代が、6月21日(木)~7月3日(火)、天理文化協会で海外初の展示「Our Road」を開催する。サブタイトルは「ろうけつ染×絣織=モダン・ジャパニーズ・テキスタイル」。
荒井と増山は、東京芸術大学在学中に出会い、1967年に結婚。荒井は染色、増山は染織の造形作家として、半世紀以上にわたり、共に刺激し合いながら活動してきた。今回の展示は、二人の集大成とも言える。初期から最新の作品まで、インドネシアの島々にインスピレーションを求めた二人の軌跡をたどる、ダイナミックな作品群が展示される。
戦後の高度成長期の日本で作家活動をしていた荒井と増山。効率化を求める社会への疑問から、「ものづくりの起源」に立ち戻るため、原初的な工芸様式を残す地域への旅を始めた。その過程で、インドネシアで出会ったのが、昔ながらの技法を残した「バティック(ろうけつ染)」と「イカット(絣織)」だった。
イカットは、綿から一本の糸を績み、括(くく)る。それを、島に自生する藍や茜で染め上げ、木の実をすり潰した粉を使って染め糸を洗い、腰機でかすり模様を織るという技法。バティックは、染色の工程でろうを使い、手作業で模様を染め出す。
いずれも素材を自然に頼り、作業に時間がかかる、非効率的で原始的な技法だ。そこから生まれる創造性と、その土地と共に生きる人々の生命力が、二人の作品に宿る。
6月21日(木)のオープニングレセプションには作家も在廊。インドネシアと縁が深いということで、バリ島のガムラン演奏もある。

■6月21日(木)~7月3日(火) 
 レセプション:21日(木)6~8pm
■会場:天理文化協会
 43A W. 13th St.
■TEL: 212-645-2800
■入場無料
www.tenri.org



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