2018年6月15日号 Vol.327

人権問題テーマに15作上映
弱者が置かれる不公平を映像で
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ・フィルム・フェスティバル」

映画イメージ1
On Her Shoulders, courtesy of Oscilloscope Laboratories

映画イメージ2
Transmilitary, courtesy of Gabriel Silverman and Fiona Dawson)


人権の擁護・保護を目的に活動するNGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)」主催の映画祭が、6月14日(木)から21日(木)まで、市内3ヵ所を会場に開催される。社会的弱者が置かれている不公平を、映像で訴えようと試みる。
29回目を迎える今回、世界中から「人権」をテーマに製作された15作品を選出。同フェスティバルのクリエイティブ・ディレクター、ジョン・ビアッジ氏は、「特にこの1年間、女性たちは、受け続けてきた虐待、嫌がらせ、抑圧に対して声を上げた。今年の上映作15本のうち12本が、女性の監督または助監督が制作したもの。弾圧に立ち向かう女性たちの勇気を示した叙事詩となるだろう」と、総括している。

オープニングは、アレキサンドラ・バンバ監督のドキュメンタリー「On Her Shoulders」。2014年、「イスラム国」がイラク北西部を襲撃、何百人ものヤジディ教徒を惨殺し、女性と子どもを奴隷にした。その生存者である女性、ナーディーヤ・ムラード。23歳の彼女が自らの苦痛を明かし、世界にその暴力行為を告発する。
当日は、バンバ監督やムラード氏が来場、質疑応答が予定されている。

ジュリア・バーチャ監督の「Naila and the Uprising」。1987年、イスラエルの占領地パレスチナで起きた抵抗運動「インティファーダ」。闘争の最中、ニュースでは流れなかった勇敢な5人の女性たちの活動を描く。

ガブリエル・シルバーマン監督とフィオナ・ドーソン監督の「TransMilitary」。現在約1万5500人のトランスジェンダーが米国軍に雇用。オバマ政権によって認められた入隊だったが、トランプ大統領になり一転、認めない方向へと動いている。映画では、カミングアウトした4人のトランスジェンダーが登場。空軍や陸軍で国のために活動する様子や、彼らを取り巻く現状が記録されている。

Human Rights Watch Film Festival
■6月14日(木)~21日(木)
■会場:
 ①Elinor Bunin Munroe Film Center:144 W. 65th St.
 ②WalterReadeTheater:165 W. 65th St.
 ③IFC Center :323 Ave. of the Americas
■$15、学生/シニア$12(3作品チケット購入割引有)
ff.hrw.org/new-york



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