2019年6月14日号 Vol.354

受け継がれてきた伝統
「地球の色―日本画と天然岩絵の具」


アラン・ウェスト 「西行の桜」


日本クラブ企画展「地球の色―日本画と天然岩絵の具」が、6月20日(木)から7月17日(水)まで、日本ギャラリーで開催される。
日本画における岩絵の具の歴史は、仏教伝来と共に始まったとされている。1400年以上も、素材や技法が変わることなく現代まで受け継がれてきた。近代化が進むにつれ、世界中で人造の岩絵の具が大量生産されているが、日本だけは天然での製造を続けている。
鉱物質の砕きかたが細かいほど淡い色になり、荒いほど濃色になるという特徴を持つ。天然岩絵の具研究の第一人者・橋本弘安氏は、鉱物質を科学的に検証し、現代のナノテクノロジー技術と共に、新たな創造を広げている。
同展では、16人の日本画家が作品を持ち寄る。制作過程、それを使用した日本画・書・工芸作品、現代ナノテクノロジーのジェットプリント画を紹介する。
岩絵の具に魅せられ日本に渡ったアメリカ人日本画家、アラン・ウェスト氏の作品も展示。身近にある自然の中に美を見出し、琳派の伝統と狩野派の筆法を受け継ぎながら、現代的な感性で自然を表現している。
6月22日(土)には、橋本氏によるワークショップ「ニューヨークの石でハガキに絵を描きましょう」も開催。
橋本氏考案の天然岩絵の具作成キットを使い、ニューヨークの石から作る。また、それを使用し、実際にハガキに絵を描く。

■6月20日(木) ~7月17日(水)
■会場:日本ギャラリー(日本クラブ内)
 145 W. 57th St.
■TEL: 212-581-2223 info@nipponclub.org
■入場無料
www.nipponclub.org

★ワークショップ
■6月22日(土)1:30-3:00pm
■一般$20、NC会員$15


HOME