2019年6月14日号 Vol.354

芸術的な実践と環境保全
ロバート・ブール・マルクス
「ブラジリアン・モダン」

ロバート・ブール・マルクス
ブール・マルクスの特徴的なデザインを取り入れた庭 Photo Courtesy of NYBG

ロバート・ブール・マルクス
囚人の身長を記録する「ジェイルハウス・ハイト・チャート」


ブロンクスの植物園「ニューヨーク・ボタニカル・ガーデン(NYBG)」で9月29日(日)まで、「ブラジリアン・モダン」と題した企画展が行われている。ブラジルの環境デザイナーで造園家、植物探検家のロバート・ブール・マルクス(1909年〜94年)がテーマ。その芸術的な実践と、環境保全の関係を探る。

「公共事情によってリオデジャネイロを造った」と言われるブール・マルクス。2016年のリオ五輪で、陸上競技やパラリンピックの舞台となった印象的な風景は、彼が残したものだ。曲線が美しいコパカバーナビーチのプロムナード、サンパウロにある銀行の屋上庭園など、大胆なビジョンでブラジルのモダニズムを牽引。生涯を通し、2000以上の庭園を設計した。

NYBGでは、ブール・マルクスのデザインを取り入れた庭を造園。ブラジルの原生植物が多数植えられ、特徴的な曲線をデザインした通路や、幾何学的な彫刻が目を引く水場が配された空間は、植物園らしい没入型のインスタレーションだといえる。
屋内では、ブール・マルクスが残した絵画やドローイング、テキスタイルなどを紹介。ブラジルの文化や自然にインスパイアをうけた作品群は、どのように「庭」と「アート」を定義付けていったかを知る鍵となる。
ブール・マルクスが残した偉業を讃え、彼が訴え続けた自然と生態系の保全について学ぶ展示。

Brazilian Modern: The Living Art of Roberto Burle Marx
■9月29日(日)まで
■会場:The New York Botanical Garden
 2900 Southern Boulevard, Bronx
■Tel: 718-817-8700
■大人$23〜、学生/シニア$20〜
 2-12歳$10〜、2歳以下無料
www.nybg.org


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