2022年6月10日号 Vol.423

総勢69人が出展
「優れた作品との出会いが楽しい」
シアカ章子 (国際アートサポート・ジャパン 共同代表)

「アーティストの役に立ちたい」と話すシアカ章子さん

2020年に産声を上げた「国際アートサポート・ジャパン」は、画家のシアカ章子さんと、同じく画家のアキ・ユウショウ・ワタナベさんが共同で創設、日本人作家を世界へ紹介する新しいプロジェクトだ。3度目となる展覧会「ジャパン・アートフェア:クールジャパン・ムーブメント・イン・ニューヨーク2022」を、6月20日(月)から25日(土)まで、ソーホーのギャラリー・マックスで開催する。



出展作家は、シアカさんとワタナベさんをはじめ、青山洋子さん、稲田峻さん、岡本直枝さん、相馬亮さん、竹内優文さん、井崎聖子さん、行近壯之助さんら総勢69人。絵画、日本画、写真、書など102点を展示、日本人作家たちの力作がずらりと並ぶ。

シアカ章子  Dream Paradise

「今回はジャンルを問わず、日本で売れている/いないにもこだわらず、秀作だと感じた作家にお声かけしました。現役の美大生から、ベテランの作家まで、年齢やキャリアにも幅があり、内容も多彩な魅力に富んでいます。私にとって、優れた作品と出会うことが、最も楽しい時間です」と打ち明けるシアカさん。日本人が持つ思想や美の感覚と、西洋画の技法を組み合わせた作品が作れないかと考えて制作しているという彼女、作品はもちろんのこと、それを生み出す「アーティスト」が好きだと続ける。

バター ボール  Zeng-101

「中学二年生の時でした。ピカソの『ハンカチを持って泣く女』を図書館の画集で観て、体が震える感覚を覚え、美術の世界に飛び込み、挑みたいと思いました」。親に「絵描きになりたい」と泣いて頼み、猛反対されたというシアカさんは、現在、千葉県長生郡白子町に工房を、銀座に「ギャラリー・SIACCA(シアカ)」を構え、精力的に制作活動を続けている。

「ギャラリーを始めたのは、美術とアーティストを愛しているからです。私にとって彼らの純粋さは、とてもキラキラしていて愛おしく、たくさん愛したくなります」

畔蒜 克則 Birth

日本のギャラリーは大半が貸し画廊。そのため多くのギャラリーでは、作家の作品を積極的に売っていこうという姿勢がなく、国際的なアートショーに参加することもほとんどない。

「日本ではアートを取り巻く環境がまだまだ成熟していません。日本にも世界に通用する作家は大勢いますが、マーケットといえる環境がないのが現実。ワタナベさんと『国際アートサポート・ジャパン』を設立したのは、そんな現状を変え、私たちが『優れている』と思う作品を、海外に紹介したいと強く願ったからです。さらに作品を販売することで、アーティスト達の役に立ちたいと思っています」

後藤 司右ー SPACE IN AZURITE

「アートのメッカ」とも言えるニューヨークで、目が肥えたニューヨーカーに認められれば、世界を手にすることも夢ではない。

「ニューヨークでの展覧会は、とても意義があると考えています。日本では得られないお客様からの感想や出会い、ニューヨークのアーティストたちからのエネルギーを感じることも楽しみです。展覧会の準備を滞りなく行うことは大仕事ですが、楽しんでやっています」

同展は今後、毎年行うことを視野に入れているほか、「パリやロンドンでも展開したい」と、見据える先は、さらに広い。

「日本美術界の現在をニューヨークの皆様にご覧いただける面白い展覧会です。ご期待ください!」と力強く結んだ。

稲田 峻  Reincarnation

■6月20日(月)〜25日(土)
※オープニングレセプション:
 22日(水)6:00〜8:00pm
■会場:Gallery Max New York
 552 Broadway, Suite 401, Buzz #9
■開廊時間: 月4–6pm (プレビュー)
 火〜金11am–6pm、土11am–5pm
■詳細・問い合わせ:artspheres.org

★参加アーティスト


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