2022年6月10日号 Vol.423

88歳、新進気鋭の画家
二村守のデビュー展
日本ギャラリーで

Lawn Landscapes of Central Park #1

ニューヨーク在住の作家・二村守の個展「未知の宝物 〜セントラルパークの贈り物」が、6月9日(木)から22日(水)まで、日本クラブ7階の日本ギャラリーで開催される。二村は日本クラブ会員でもあり、この個展で「88歳の新進気鋭のアーティスト」として画壇デビューを飾る。

二村は、「創造的な旅を続けてきた人生のこの段階で、初めて作品を公開できることにとても感謝しています。たくさんの人に見てほしい」と話している。

二村は1965年、31歳で九州からアメリカに移住。若い頃は絵を描く時間がなかったが、描くことへの意欲を捨てることはなかった。正式な美術教育を受けていないが、ニューヨークの美術館が絵画を学ぶ場だった。特に、ニューヨーク近代美術館にある現代画家の作品に惹かれたという。



最も大きなインスピレーションは、セントラルパークの自然の美しさと、人々のエネルギーだった。「座ったり、散歩したり、毎年新しい花の香りを楽しんだりすることでインスピレーションを得て、絵を描きました」と話す。

そんな二村の作品は自然をモチーフとしているものの、実際の植物や動物を描写したものではなく、超現実的・抽象的に解釈し描かれている。

二村の芸術的追求に大きな影響を与えたのが「色」。実際の絵の具が、キャンバス上ではどのように見えるかを理解することは、二村がここ数年探求していることだ。二村の多くの作品に見られる温かみのある「黒」を作るため、色の研究に没頭したという。

自己の作品の進化を通して、多様な情報源から独特のスタイルを作り上げ、この展覧会の一部であるシュールで抽象的なイメージを創作するようになった。

「下地のジェッソに砂を塗り込み、色鮮やかなアクリル絵の具による独特な画法で、何年もの間、何百もの抽象画を描きました」と二村。今回はその中から約30点を厳選し展示する。

■6月9日(木)〜22日(水)
■会場:日本ギャラリー (日本クラブ7階)
 145 W. 57th St.
■入場無料
■問合せ: gallery@nipponclub.org
www.nipponclub.org


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