2022年6月10日号 Vol.423

変容する着物とその影響力
メトロポリタン美術館
「キモノ・スタイル」

牛車と水辺の様子が描かれた夏用の着物(江戸時代)Photo © The Metropolitan Museum of Art, photo by Paul Lachenauer

メトロポリタン美術館で6月7日(火)から2023年2月20日(月)まで、「キモノ・スタイル」と題した展示会が開催される。江戸時代後期(1615〜1868年)から20世紀初頭、日本人女性の生活スタイルが変化するに伴い「T字型」の和服から、洋服に変わっていくその変容を辿る。



展示品は、日本美術愛好家として知られるドイツ系アメリカ人、ジョン・C・ウェバー氏のコレクションと、同館のコスチューム・インスティチュート・コレクションから。日本画、版画、装飾美術品、洋服とともに、紳士服や子ども服を含む60点以上の着物が展示される。

モダンな水玉模様の銘仙(昭和)Photo © The Metropolitan Museum of Art, photo by Paul Lachenauer

日本の織物、染色、刺繍など、独自の手法で芸術的にも洗練された技術は、江戸時代にピークを迎えたと言われる。ダイナミックな都市文化が出現し、商人階級は自らの富を、物質的な贅沢に注ぎ込んでいた。そんな中で着物は、「目に見える芸術形態のひとつ」であり、町民が「豊かさ」や「美的感覚」をアピールする身近な方法であった。

明治になり、洋服が日本に伝わると同時に、手頃な価格の既製着物「銘仙(めいせん)」が大流行。キュビズムやアールデコなど西洋芸術の影響を受けたモダンな柄が「洋風感覚を取り入れた着物」と認識され、広く受け入れられていった。

本展は、日本文化を世界に伝えるだけでなく、着物の創造性と足跡、現代ファッションへの影響力などを分析する。

Kimono Style: The John C. Weber Collection
■6月7日(火)〜2023年2月20日(月)
■会場:The Metropolitan Museum( Galleries 223–232)
 1000 Fifth Ave.
■大人$25、シニア$17、学生$12
■7月1日から:大人$30、シニア$22、学生 $17
※NY州在住者および NY州/NJ州/CT州の学生は入場料任意
www.metmuseum.org


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