2021年5月28日号 Vol.398

五嶋みどり「ケネディ・センター名誉賞」受賞
「社会のニーズに応えることが私の責務」
受賞セレモニー、CBSで6月6日放映

メダリオンを首にかけ、 祝賀レセプションに出席した五嶋みどり (Photo courtesy of Office GOTO)

毎年、アメリカの文化・芸術に多大な貢献を残したアーティストに贈られる「ケネディ・センター名誉賞(The Kennedy Center Honors)」で、昨年発表された第43回目の受賞者5人のひとりに、ヴァイオリニストの「MIDORI」こと五嶋みどりが選出された。1978年に創設された同賞で日本人初の受賞者・小澤征爾(2015年)に続き、五嶋は2人目の受賞者となった。その他の受賞者は、シンガーソングライターのジョーン・バエズ、カントリー歌手のガース・ブルックス、俳優のディック・ヴァン・ダイク、振付師/ダンサー/俳優のデビー・アレン。

ケネディ・センター会長のデビッド・M・ルーベンスタイン氏は、五嶋への授与について、「35年以上に渡って活動するミドリは、国際的にも大きな存在となっている。優雅さと揺るぎないテクニックで、芸術と人間的な『経験』を結びつけるパフォーマンスを実現させた稀有な人物」と高評価。また、「アーティストとしてだけでなく、活動家や教育者として、この権威ある賞に値する人物は他にいない」としている。



受賞に際し、五嶋は次のように述べている。「私たちアーティストは自らの仕事や行動を通して、社会を反映し、そのニーズに応えるという責任を負っていると考えています。コロナ禍の後、すべての人々が人生の『新たな章』をスタートさせようとしている時に、『創造性』や『回復』のため、さまざまな道を模索し探究することが、私の役割のひとつ。幼い頃からの経験は、私の宝物であり財産。積み重ねてきたモノをベースに先駆的な方法と伝統的な方法の両方をあわせ、再び音楽を届けたい、私たちの『中心』にある『心』を表現したいと思っています」

五嶋はまた、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、「パンデミックを経験したことで、観客の前で演奏できるという『瞬間』が、いかに貴重であるかを実感し、感謝の気持ちが生まれました」とコメントしている。

今回の受賞者は(左から)デビー・アレン、ジョーン・バエズ、ディック・ヴァン・ダイク、ガース・ブルックス、五嶋みどり。ケネディ・センターのツイッターから


5月20日(木)、ホワイトハウスに招かれた受賞者たちには、バイデン大統領から七色のメダリオンが贈呈された。翌21日夜、ケネディ・センターで行われた式典には128人が出席、彼らの栄誉を讃えた。

セレモニーで五嶋は、関係者への謝意を表明し、「コロナ禍から立ち直ろうと奮闘しているアーティストと、第一線で活動しているエッセンシャル・ワーカーやファースト・レスポンダーに感謝しています。すべての人々が美しさ、インスピレーション、平和、勇気を取り戻せるよう、これからも努力していきます」と、新たな決意を述べた。

セレモニー特別放映
CBSで6月6日


祝賀セレモニーの様子を含めた特別番組が6月6日(日)午後8時から、CBSで放映される。CBSアプリとParamount+でもオンデマンド配信。ホスト役は、歌手のグロリア・エステファンが務める。


■ケネディ・センター
www.kennedy-center.org

ケネディ・センター名誉賞メダル授与式
■CBS放映:6月6日(日)8:00pm
www.cbs.com/shows/kennedy_center_honors


HOME