2018年5月25日号 Vol.326

オフ・ブロ「部屋に流れる時間の旅」
岡田利規が来米、ストーリーを語る

部屋に流れる時間の旅・舞台
Photos by Julieta Cervantes

部屋に流れる時間の旅・舞台

部屋に流れる時間の旅
(左から)煖エ総領事・大使、大使夫人、ケイト・ロワルド(ファウンダー・オブ・プレイカンパニー)、ロバート・グラッドショー(プロデューサー・オブ・プレイカンパニー)


プレイカンパニー制作の舞台「部屋に流れる時間の旅」(岡田利規作、小川彩翻訳、ダン・ローゼンバーグ演出)が、ミッドタウンウエストの劇場で上演中。同作は2016年京都で、岡田の劇団チェルフィッシュと、海外8都市のプロデューサーとの共同制作で初演。今回は、新演出による英語上演で、アメリカで初上演。

物語は、東日本大震災後の福島を舞台にした幽鬼な作品。大震災から1年後、人生が一変してしまった3人は何を求めるのか。新しい人生に踏み出すことができるのか。震災という大きな衝撃の陰に埋もれてしまった、他愛のない、個人的で、破片のような出来事に光を当てる。

5月12日(土)、日本から岡田が来米し、上演のレクチャーを開催。岡田の他に、翻訳を担当した小川彩が通訳を兼ねて参加。また在NY日本国総領事館から煖エ礼一郎大使が夫人同伴で観劇した。参加者からは「なぜゴーストを劇中に登場させたのか」と、多くの質問が飛んだ。岡田は、「未来への望みを持ったまま、死を迎えた幽霊が紡ぐ希望。対照的に、もはや希望を持つことなど不可能に思える今を生きる者。人間は、心のトラウマから光を見いだし、変化に対応して生きることができる、というユニバーサルなメッセージも込められています」と物語を総括した。

5月20日(日)には上演後、レセプションが開催され。観劇者らは、スタッフ、俳優陣らとしばしの交流を楽しんだ。

「部屋に流れる時間の旅」は6月10日(日)まで上演。

Time's Journey Through a Room
■5月10日(木)〜6月10日(日)
■会場:the A.R.T./New York Theatres
 Mezzanine Theatre:502 W. 53rd St.
■一般$35(プレミア$45)
 団体(10人以上)$15、学生(要ID)$15
■チケット購入:playco.org Tel:866-811-4111

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