2020年5月22日号 Vol.374

NYモダンダンス界の先駆者
一戸小枝子さん死去


ニューヨークのモダンダンス界で、舞踊家・振付家の第一人者として活躍してきた一戸小枝子(いちのへ・さえこ)さん=写真=が5月7日(木)、市内のホスピスでCOVID-19感染により死去、83歳だった。2015年、一戸さんは夫のジョージ掘繁さんとともにフィールドストン・ロッジ・ケアセンターに入居。ジョージさん亡き後も、同センターで生活していた。今年になってCOVID-19に感染し、アレン・ホスピタルへ入院。その後、転院したホスピスのカルバリー・ホスピタルで亡くなった。

一戸さんは193 6年、東京生まれ。1968年にフルブライト奨学金で来米、ジュリアード音楽院卒業。70年「サエコ・イチノヘ・ダンス・カンパニー(SIDC)」を創設。舞踊家、芸術監督・振付師として活躍する。アメリカで数々の賞を受賞し、メトロポリタンオペラの「蝶々夫人」で20年以上に渡り俳優たちに所作を指導。公立学校などの文化教育プログラムへ積極的に参加した功績が認められ2006年、「外務大臣賞」を受賞した。
SIDCの最終公演は2014年2月23日、チェルシーで開催。ダンサーとしては引退したものの「振り付けは続けて行くつもりです」と話していた。
一戸さんの後見人であるゲーリー森脇弁護士によれば、遺灰は夫のジョージさんが眠るNY仏教会に納骨される(5月13日現在、日程未定)。


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