2020年5月22日号 Vol.374

新型コロナウイルスQ&A
金原先生、教えて!

Q:大人から子どもにうつさないように、手洗いやマスク着用以外に行うべき予防対策はありますか?

A:外から帰ってきた親が気付かずに子どもに感染させる場合もあるので、外から戻ったらまず手を洗うこと。中には、服を着替える、シャワーを浴びるという人もおられますが、どこまでするかは個人の判断として、大前提は手洗い、マスク、自宅待機を徹底することです。

Q:降圧剤を服用しています。高血圧は重症化のリスクファクターでしょうか。

A:確かに高血圧はリスクファクターではあります。が、まだ分かっていない部分もあります。本当に重症になるのは、高血圧に加えて心臓疾患や糖尿病がある、65歳以上の高齢といった、複数の条件が重なっている場合です。高血圧の人は、主治医と相談し、できるだけ血圧をコントロールしてください。その他の慢性疾患も同様です。

Q:結核の予防接種BCG、特に日本型の古いワクチンが、コロナウイルスの重症化防止と関係があるという記事を、日本語と英語で読みました。この"BCG説"について、先生のご意見を聞かせてください。

A:確かに、BCGがコロナに効くのではないかというデータは少なからずあります。特に日本型がいいというデータも出ています。ただ、感染を防ぐものではなく、感染しても軽くて済むのではないかというものです。オーストラリアやオランダで、重症化リスクが高い人にBCGを打つことで、重症化を防げるかどうかの臨床実験が進められていますが、今の時点ではBCGとコロナウイルスとの関連性は分かっていません。ですので、今の段階でコロナ感染の治療にBCGを打つことはしません。効果は期待されていますが、さらなるデータが必要です。

Q:コロナ感染は主に子どもから大人にと言われますが、本当ですか?

A:当初は、子どもがおじいちゃん、おばあちゃんにうつしているのではないかと言われていましたが、そうしたデータは多くありません。むしろ大人から子どもへの感染の方が多いように思われます。ただ、子どもで懸念されることは、感染しても軽症なことが多いので、元気な分油断をして、感染予防を疎かにするために、周囲の人にうつしてしまうことです。

Q:子どもが薄着で外に出る夏、予防のために気をつけることはありますか?

A:感染予防のためには、子どもたちが集まる状況を作らないことです。薄着になるからといって、感染リスクが上がるようなことはありません。ただ、暑いからとマスクを外す子どもがいると感染リスクは上がります。天気がいい日に外に出ること自体はいいのですが、できるだけ他の子どもたちがいる場所に行かないようにする方がいいと思います。

Q:なぜ学校再開の優先順位が低いのですか?

A:優先順位が低いというよりは、リオープンを慎重に進めている結果ではないでしょうか。学校を再開すると、先生も生徒も一気に集まり、必然的に感染リスクは高まります。オンライン学級も確立したニューヨーク市で、今リスクを負って学校を再開するのは賢明ではないというのが行政の考えだと思います。
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