2018年5月11日号 Vol.325

JSパブリックフォーラム
「女性」「舞台芸術」「移民」テーマに
芸術監督・羊屋白玉迎え


Photo © Sakiko Nomura


ジャパン・ソサエティー(JS)で5月14日(月)、パフォーマンス・グループ「指輪ホテル」の芸術監督・羊屋白玉(ひつじや・しろたま)=写真=によるパブリックフォーラムを開催する。題して「Rest In Peace, New York」。
常に「女性」や「女の子」をキーワードに、作品を作ってきた羊屋。現在1ヵ月間のニューヨーク研修のため滞在中で、ニューヨークではベトナムからの移民女性らを訪ね歩き、インタビューしている。
今回のパブリックフォーラムは、羊屋が「巻物」状にまとめたこれらのベトナム女性らの言葉を、ニューヨークの女性演劇人たちが読み上げ、その後観客と共にディスカッションをする、という趣向だ。
テーマは「女性」「舞台芸術」「移民」など、今の米国社会の課題に深く関連したもの。
このフォーラムは、アジア女性舞台芸術会議実行委員会(亜女会)創設者の一人である羊屋が、関連活動作品として発表する。
亜女会は1980年代、劇作家、演出家の故・如月小春と、故・岸田理生が始めた「アジア女性演劇会議」の活動に影響を受け、羊屋と矢内原美邦(振付家、劇作家、演出家)が2012年末に設立した団体だ。多種多様な民族・社会・言語・文化・歴史を持つアジアで、女性の声を拾い集めながら、舞台芸術と女性問題について考えるためのプラットフォームを育てることを目標にする。
現地調査・インタビューを基に作品を作る手法は、近年羊屋が「指輪ホテル」としてもシリーズ化して行っていること。明確な目的を持たず、まず人と話し、情報を集める中で作品の姿が出来上がる。または、集まって話し合うこと自体が作品となるという、オープン・エンドなスタイルだ。
今回のフォーラムも、それ自体が完成品であるとともに、今後さらに発展してパフォーマンスという形で発表される可能性も秘めた、流動的・刺激的なプログラムとなる。

■5月14日(月)7:30pm
■会場:Japan Society
 Murase Room
 333 E. 47th St.
■一般$10、JS会員$8
■TEL: 212-715-1258
www.japansociety.org



HOME