2022年4月29日号 Vol.420 |
ニューヨーカーの多様性と個性
団結を促す
サンティ・フローレス「ヒアー(Here)」
Photo by KC of Yomitime
1970年にスペインで生まれたビジュアル・アーティストのサンティ・フローレス(Santi Flores)が手がけた「ヒアー(Here)」=表紙写真=が、マンハッタンのガーメント・ディストリクト、ブロードウェイの38丁目から41丁目の間にお目見えした。同地域が行うプログラム「アート・オン・ザ・プラザ」の一環で、片手を上げたポーズを取る14体のスカルプチャーが点在している。
ミュージシャンとしての活動経験を持つフローレスは、音楽とプラスチック・アート(造形芸術)を中心とした活動を展開。現在のスタイルは主に、画家のジャクソン・ポロックやジャン=ミシェル・バスキアから影響を受けたという。
Photo by KC of Yomitime
今回の「ヒアー」は、フローレスの有名なシグネチャー・モチーフで、手を上げた様子はポロックの絵画「Pasiphae」にインスパイアされたもの。また、エナメル塗料で描かれた模様は、バスキアを彷彿させる。スチールとコンクリートで作られた彫刻サイズはさまざまで、最大のものは高さ14フィート(約4・3メートル)。表面の異なる模様=肌は、ニューヨーカーの多様性と個性を表し、同じポーズを取らせることで「統一性(団結)」を促している。
作品についてフローレスは、「私自身を取り巻く人・感情・人間関係を鑑賞者が知覚できるよう、最も簡単な方法で再現している」と説明する。
元気いっぱいに「ココだよ!」と手をあげる色鮮やかな彫刻たちは、エネルギッシュでマルチカルチャーなニューヨーカーそのものだ。
Here
■8月29日(月)まで
■会場:Garment District
Broadway, 38th and 41th Sts
■https://garmentdistrict.nyc
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