2023年04月28日号 Vol.444

東京・NY陶芸コンテスト
最優秀賞は留学生のクオ氏

最優秀賞を受賞したクオ氏(左)と、往復航空券を贈呈したANAの竹本登氏

東京都民とニューヨーク市民による草の根レベルの交流を目的とした「東京・ニューヨーク友好陶芸コンテスト」が4月13日から19日まで日本ギャラリーで開催。4月14日(金)に今回の受賞者を発表、表彰式を行った。

1996年に始まり今回で19回目を迎えた同コンテストは、回を重ねるごとに出展作品も充実。ニューヨーク市行政からも日米文化の架け橋として、また教育プログラムとして高い評価を得ている。

今回は、両都市から52人がエントリー。審査員は大樋焼十一代・大樋長左衛門氏(金沢大学客員教授、東京藝術大学非常勤講師ほか)、土肥信一氏(メトロポリタン美術館元コンサベーター)、コーラ・ローズビア氏(MoMA元副キュレーター)、村瀬実恵子氏(Takeo and Itsuko Atsumi コロンビア大学名誉教授、元メトロポリタン美術館東洋部特別顧問)らが務めた。



最優秀賞は台湾からの留学生、チア・シュアン・クオ氏の「Unknown Object 002/アンノウン・オブジェクト・002」。複雑で放射状に広がる多数の触手が、神秘的な印象を醸す作品。

クオ氏は受賞の喜びを表すとともに、「パンデミックで不安だった時の自分の心の脆弱さを、海の中を漂う生き物やプランクトンに譬え、世界をよりよく感じるためにすべてに触手を伸ばす。自分がこの未知の生き物であると想像した」と制作秘話を語った。

クオ氏には、全日本空輸(ANA)から東京=ニューヨーク往復航空券、ギャラリー彩花から賞金500ドルが贈られた。

なお、2位は前田英雄氏、3位はブラッドリー・ジョンソン氏、特別賞は筒井廣明氏が受賞。佳作はジョナサン・カストロ氏、杉本たけ子氏、水野とよしげ氏の3名が受賞した。


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