草間彌生「宇宙の庭」＠ニューヨーク植物園：ニューヨーク最新イベント情報【よみタイム】#Yomitime

2021年4月16日号 Vol.395
［ルポ］子どもの感想「変だよね〜」に爆笑草間彌生「宇宙の庭」＠ニューヨーク植物園 ①「I Want to Fly to the Universe（宇宙へ飛びたい）」Photo by KC of YOMITIME ブロンクスの「ニューヨーク植物園」(NYBG)で4月10日(土)から10月31日(日)まで、草間彌生の展示「宇宙の庭(KUSAMA: Cosmic Nature」が開催中。草間が生涯に渡り抱いてきた「自然界への魅力」を、包括的に紹介している。展示は大別して9ヵ所。野外設置は「ガーデン・パス」で鑑賞できるが、屋内展示は「ギャラリー・パス」が必要。ここでは、素人の目線から、気になった作品いくつかを写真で紹介したい。まずは、「ガーデン・パス」で鑑賞可能な展示から。メインエントランスから入園し、カフェやギフトショップを通りすぎた正面に「I Want to Fly to the Universe（宇宙へ飛びたい）」＝写真①＝が現れる。高さ約13フィートの生物は太陽のようにも、ヒトデのようにも見える。とぼけた表情で、来場者を出迎える。直径12インチのステンレス球1400個が水景に浮かぶ「Narcissus Garden（ナルシスの庭）」＝写真②＝は「ネイティブ・プラントガーデン」に。風と流れによって球体がゆっくりと動き、ぶつかることで、微かな音をたてる。これまでにも何度か、屋内で「ナルシスの庭」を観たことはあったが、水面でゆっくりと動く「ナルシスの庭」は、まったく別の趣きだ。個人的には、自然と同調したこの「ナルシスの庭」が好み。 ②「Narcissus Garden（ナルシスの庭）」Photo by KC of YOMITIME 赤地に白の水玉模様の布を、木に巻き付けた作品は「Ascension of Polka Dots on the Trees（木の上でポルカドットが上昇する）」＝写真③＝。近くにいた少年が一緒に来ていた母親に「木にギフトラップするなんて変（正確には「Weird」）だよね〜」と話していた。ストレートな感想に思わず笑顔。 ③「Ascension of Polka Dots on the Trees（木の上でポルカドットが上昇する）」Photo by KC of YOMITIME ハウプト温室の芝生エリアには、高さ16フィート(約5メートル)で水玉模様の黄色いカボチャ彫刻「Dancing Pumpkin（踊るカボチャ）」＝写真④＝が存在感を示す。カボチャというより巨大なタコのようにも見えるが、躍動感に溢れ、「楽しそう」に踊っている様子に、思わずクスリと笑みが浮かぶ。 ④「Dancing Pumpkin（踊るカボチャ）」Photo by KC of YOMITIME 以下は「ギャラリー・パス」が必要な屋内展示メインエントランスから入り、右手にある小さな小屋の中には「Pumpkins Screaming About Love Beyond Infinity（無限を超えた愛について叫ぶカボチャ）」がある。鮮やかなオレンジ色に黒い水玉模様のカボチャが真っ暗闇に設置、次第に明るく輝いていく様子が幻想的で美しい。（※写真掲載不可）部屋中にテーブル・クロスの花模様が増殖する幻覚を作品化した「Flower Obsession（フラワー・オブセッション）」＝写真⑤＝。来場者は、花のステッカーと造花を渡され、それらを用意された部屋の中に貼り付けることで、草間の「幻影」を現実のものにしていく。来場日が初日だったため、まだまだ花が少ないのが残念。 ⑤「Flower Obsession（フラワー・オブセッション）」Photo by KC of YOMITIME その他、ハウプト温室内やメルツ・ライブラリー、ロス・ギャラリーで、彫刻や初期のスケッチブック、植物や花の絵画なども展示されている。草間のニューヨーク時代を紹介したコーナーもあり、「やはり有名になる人物は、昔から『飛んでる』なぁ〜」というのが、凡人の感想だ。最後にもうひとつ驚いたのは、ギフトショップで売られていた草間グッズの多さだ。オブジェの他、カップやコースター、ショッピングバッグ、カードケース、クリアファイル、財布、ピンバッチ、傘などなど、カウズも驚く品揃え。本だけでも数種類あり、「YAYOIちゃん」人形はご利益あり?! 様々な草間グッズに驚き！Photo by KC of YOMITIME 可愛さがビミョ〜なYAYOIちゃん。Photo by KC of YOMITIME チケットは、前売り完全予約・入場時間指定制。園内ではマスク着用、ソーシャルディスタンシングの確保など、感染予防ガイドラインに従うことが求められる。NY市民は、水曜の「ガーデン・パス」が無料で、チケット割引もある。園内にはカフェもあるが、食べ物の持ち込みも可能。草間アートに興味がなくても、天気が良い日に弁当持参で訪れたい。 KUSAMA: Cosmic Nature ■4月10日（土）〜10月31日（日） ■会場：New York Botanical Garden 　2900 Southern Boulevard, Bronx ■https://www.nybg.org ■チケット（時間制で入場）2歳以下無料 ○KUSAMA Garden & Gallery Pass大人$35、65歳以上/学生$32、2-12歳$15 ○KUSAMA Garden Pass　大人$25、65歳以上/学生$22、2-12歳$12 ★NY市民割引 ○KUSAMA Garden & Gallery Pass　大人$28、65歳以上/学生$25、2-12歳$12 ○KUSAMA Garden Pass　大人$15、65歳以上/学生$7、2-12歳$4 ※NY市民は水曜日のGarden Pass無料 Tweet HOME

2021年4月16日号 Vol.395

［ルポ］
子どもの感想「変だよね〜」に爆笑
草間彌生「宇宙の庭」＠ニューヨーク植物園

①「I Want to Fly to the Universe（宇宙へ飛びたい）」Photo by KC of YOMITIME

ブロンクスの「ニューヨーク植物園」(NYBG)で4月10日(土)から10月31日(日)まで、草間彌生の展示「宇宙の庭(KUSAMA: Cosmic Nature」が開催中。草間が生涯に渡り抱いてきた「自然界への魅力」を、包括的に紹介している。

展示は大別して9ヵ所。野外設置は「ガーデン・パス」で鑑賞できるが、屋内展示は「ギャラリー・パス」が必要。ここでは、素人の目線から、気になった作品いくつかを写真で紹介したい。

まずは、「ガーデン・パス」で鑑賞可能な展示から。

メインエントランスから入園し、カフェやギフトショップを通りすぎた正面に「I Want to Fly to the Universe（宇宙へ飛びたい）」＝写真①＝が現れる。高さ約13フィートの生物は太陽のようにも、ヒトデのようにも見える。とぼけた表情で、来場者を出迎える。

直径12インチのステンレス球1400個が水景に浮かぶ「Narcissus Garden（ナルシスの庭）」＝写真②＝は「ネイティブ・プラントガーデン」に。風と流れによって球体がゆっくりと動き、ぶつかることで、微かな音をたてる。これまでにも何度か、屋内で「ナルシスの庭」を観たことはあったが、水面でゆっくりと動く「ナルシスの庭」は、まったく別の趣きだ。個人的には、自然と同調したこの「ナルシスの庭」が好み。

②「Narcissus Garden（ナルシスの庭）」Photo by KC of YOMITIME

赤地に白の水玉模様の布を、木に巻き付けた作品は「Ascension of Polka Dots on the Trees（木の上でポルカドットが上昇する）」＝写真③＝。近くにいた少年が一緒に来ていた母親に「木にギフトラップするなんて変（正確には「Weird」）だよね〜」と話していた。ストレートな感想に思わず笑顔。

③「Ascension of Polka Dots on the Trees（木の上でポルカドットが上昇する）」Photo by KC of YOMITIME

ハウプト温室の芝生エリアには、高さ16フィート(約5メートル)で水玉模様の黄色いカボチャ彫刻「Dancing Pumpkin（踊るカボチャ）」＝写真④＝が存在感を示す。カボチャというより巨大なタコのようにも見えるが、躍動感に溢れ、「楽しそう」に踊っている様子に、思わずクスリと笑みが浮かぶ。

④「Dancing Pumpkin（踊るカボチャ）」Photo by KC of YOMITIME

以下は「ギャラリー・パス」が必要な屋内展示

メインエントランスから入り、右手にある小さな小屋の中には「Pumpkins Screaming About Love Beyond Infinity（無限を超えた愛について叫ぶカボチャ）」がある。鮮やかなオレンジ色に黒い水玉模様のカボチャが真っ暗闇に設置、次第に明るく輝いていく様子が幻想的で美しい。（※写真掲載不可）

部屋中にテーブル・クロスの花模様が増殖する幻覚を作品化した「Flower Obsession（フラワー・オブセッション）」＝写真⑤＝。来場者は、花のステッカーと造花を渡され、それらを用意された部屋の中に貼り付けることで、草間の「幻影」を現実のものにしていく。来場日が初日だったため、まだまだ花が少ないのが残念。

⑤「Flower Obsession（フラワー・オブセッション）」Photo by KC of YOMITIME

その他、ハウプト温室内やメルツ・ライブラリー、ロス・ギャラリーで、彫刻や初期のスケッチブック、植物や花の絵画なども展示されている。草間のニューヨーク時代を紹介したコーナーもあり、「やはり有名になる人物は、昔から『飛んでる』なぁ〜」というのが、凡人の感想だ。

最後にもうひとつ驚いたのは、ギフトショップで売られていた草間グッズの多さだ。オブジェの他、カップやコースター、ショッピングバッグ、カードケース、クリアファイル、財布、ピンバッチ、傘などなど、カウズも驚く品揃え。本だけでも数種類あり、「YAYOIちゃん」人形はご利益あり?!

様々な草間グッズに驚き！Photo by KC of YOMITIME

可愛さがビミョ〜なYAYOIちゃん。Photo by KC of YOMITIME

チケットは、前売り完全予約・入場時間指定制。園内ではマスク着用、ソーシャルディスタンシングの確保など、感染予防ガイドラインに従うことが求められる。NY市民は、水曜の「ガーデン・パス」が無料で、チケット割引もある。

園内にはカフェもあるが、食べ物の持ち込みも可能。草間アートに興味がなくても、天気が良い日に弁当持参で訪れたい。

KUSAMA: Cosmic Nature
■4月10日（土）〜10月31日（日）
■会場：New York Botanical Garden
　2900 Southern Boulevard, Bronx
■https://www.nybg.org

■チケット（時間制で入場）2歳以下無料
○KUSAMA Garden & Gallery Pass大人$35、65歳以上/学生$32、2-12歳$15
○KUSAMA Garden Pass　大人$25、65歳以上/学生$22、2-12歳$12
★NY市民割引
○KUSAMA Garden & Gallery Pass　大人$28、65歳以上/学生$25、2-12歳$12
○KUSAMA Garden Pass　大人$15、65歳以上/学生$7、2-12歳$4
※NY市民は水曜日のGarden Pass無料

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