2023年04月14日号 Vol.443

英雄・杉原千畝を讃えた交響曲
他者を救うすべての人々へ
「コンサート・フォー・スギハラ」

①クリスティーナ・レイコ・クーパー

第二次世界大戦中に「命のビザ」を発給し、何千人ものユダヤ人を救ったことで知られる日本の外交官、杉原千畝(すぎはら・ちうね)。その功績を讃えるコンサートが4月19日(水)、カーネギーの大ホールで開催される。演目は、チェロ、合唱団、オーケストラのための「交響曲第6番『光の器』(Symphony No. 6, "Vessels of Light")」。ロシアの作曲家でピアニストのレーラ・アウエルバッハが手掛けたもので、アメリカ初演となる。


出演は、同曲誕生のきっかけを作った日系人のクリスティーナ・レイコ・クーパー(チェロ)=写真①=と、ニューヨーク・シティ・オペラ・オーケストラ&合唱団。グラミー賞に4度ノミネートされたコンスタンティン・オルベリアン=写真②=がタクトを振る。

②コンスタンティン・オルベリアン

ニューヨーク生まれのクリスティーナは、パシフィック大学教授の父(レックス・クーパー)と、バイオリニストの母親(池内睦子)の間に誕生(祖父は俳人の高浜虚子)。クリスティーナの夫の父は、杉原が発行したビザによって生き延びた一人だった。彼女は、音楽を通して杉原の功績を伝えたいと考えていたことが発端となり、世界ホロコースト記念館の「ヤド・ヴァシェム」と、「米国ヤド・ヴァシェム協会」が、アウエルバッハに作曲を依頼。杉原の物語を知ったアウエルバッハは感銘を受け、危険を顧みず他者を救うために行動するすべての人々を讃えた交響曲を生み出した。

A Concert for Sugihara
■4月19日(水)7:00pm
■会場:Stern Auditorium / Perelman Stage
 Carnegie Hall :57th St. and 7th Ave.
■$59〜
www.carnegiehall.org


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