2018年4月13日号 Vol.323

アメリカ最古のワイナリー
1800年代のレシピで
「ブラザーフッド・ワイナリー」


大きなオーク樽に描かれた「ブラザーフッド・ワイナリー」のロゴ


多種多様のワインを販売している一角にテイスティング・コーナーがある


(左から)ロザリオ、メイ・ワイン、ホリデー


これからの季節は野外で飲むのもいい


マンハッタンから車で約1時間半、ニューヨークのハドソンバレーにある「ブラザーフッド・ワイナリー」は1839年に創業、アメリカに現存する最も古いワイナリーとして知られている。2000年には、アメリカ政府が歴史的価値を認めた公式リスト「ナショナル・レジスター・オブ・ヒストリック・プレイス(NRHP)」にその名が刻まれた。
1810年、フランス人のジャン・ジャック氏がハドソンバレーに土地を購入、葡萄栽培を始めた。次第に農作地を拡大し1839年までに手作業で掘削して「地下貯蔵庫」をつくり、ジャック氏はそこで最初のワインを発酵させた。当時のセラーは今でも「ブラザーフッド・ワイナリー」で使用されている。

自社ブランド「ブラザーフッド」は、ラブルスカ種をベースにしたワインとして知られているが、一部のワインは、1800年代のレシピに基づき、新鮮なハーブやスパイスを配合している。ドイツで何世紀にも亘り「春を祝う」ために飲まれたというイチゴを合わせた「メイ・ワイン」、シナモンやクローブ、ナツメグなどを配合した「ホリデー」、祭壇のワインとして教会のために開発された「ロザリオ」などは、甘いワインが好きな人におすすめ。2016年に1500本のみ製造された「ビンテージ・ポート2011」もデザートワインとして、また葉巻との相性もいいという。
他にも、丁寧に製造されたスパークリングワインやシャンペン、ステーキ愛好家に人気の「カベルネ・ソーヴィニヨン」、洋梨やパイナップル、バターの風味が程よいブルゴーニュ・スタイルの「シャルドネ」、グレープフルーツと洋梨が香る「ドライ・リースリング」などは、ちょっと試してみたくなる。ライムがほのかに香る「リースリング」は、ブラザーフットのベストセラーワインだ。

敷地内には、オーク樽200本以上を収容した地下貯蔵庫、自社ブランド以外も豊富に揃えた販売コーナー、おみやげ店、レストランなどもあり、週末には多くの人々が訪れる。テイスティングは7ドル(オリジナルのワイングラス付き)で、地下貯蔵庫見学ツアーは6ドル、ツアー&テイスティンクなら10ドルとお得。
ウッドベリーコモンズやストームキング・アートセンターから約30分の距離なので、ハシゴも可能。「飲酒しないドライバー」をメンバーに入れて出かけてみたい。

Brotherhood Winery
■営業時間
○4月〜12月:日〜金11am-5pm、土11am-7pm
○1月〜3月:金〜日11am-5pm
■100 Brotherhood Plaza Drive
 Washingtonville, NY
www.brotherhood-winery.com


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