2022年4月8日号 Vol.419

林世宝の新作、アートエキスポで
「ゴールデン・エイジ」

Love Ring 1, 2020, PVC, gold foil, 13x13,10 in

「アートエキスポ・ニューヨーク2022」が、4月7日(木)から10日(日)まで、マンハッタンのダウンタウンにあるピア36で開催され、日本在住経験がある台湾人アーティスト林世宝(リン・セイホウ)が新作「ゴールデン・エイジ」シリーズを発表する。キューレーターは、ケイト・チャンと佐藤恭子。

林は、1986年から94年の日本滞在を経て、1995年ニューヨークに拠点を移した。現在、クリスタル・ウィンドウ・アンド・ドア・システムズ社のクリスタル財団のレジデンス・アーティストとして支援を受けている。

初めてニューヨークに来たとき、人々がペニー貨幣を全く価値のないものとして扱っていることに、林は大きなショックを受けたという。日本の禅寺での経験で、「どんな小さなモノにも魂が宿る」と悟っていたリンにとって、このアメリカ人のペニーへの無関心は驚きだった。



後に代表作となる「Pennies for Piece 平和行進曲」(1995〜97年)は、この体験から生まれた。集めた100万枚のペニー硬貨で作られた作品から、林はニューヨークで「ペニー・アーティスト」と呼ばれ、人気者になった。この作品は現在、広島大学に常設されている。

以来、林は人々から集めたリサイクルの物を素材として作品を創り続けた。これまで、何千枚ものメトロカード、2万5000個の野球ボール、2万5000台の使用済み携帯電話、20万個のおしゃぶり、20万本のペンなどを使い、作品を発表している。

今回発表する「ゴールデン・エイジ」シリーズは、クリスタル・ウィンドウ・アンド・ドア・システムズ社の工場内にある廃材が材料。プラスチックを加熱し、形をつけて組み合わせたバロック風の彫刻は、ディズニー映画「美女と野獣」に描かれた城を連想させる。

■一般公開：
4月8日（金）・9日（土）11:00am-7:00pm
4月10日（日）11:00am-5:00pm
■オープニングナイト・プレビュー：
4月7日（木）5:00〜8:00pm
■会場：Pier 36：299 South St.
■https://redwoodartgroup.com/artexpo-new-york
■１日パス$25、学生/シニア$20、12歳以下無料
　７日のみ$30、４日間パス$40
★林世宝のブース：S.P. ART, Booth 205

★オンラインギャラリー
■4月1日（金）〜5月10日（火）
https://redwoodartgroup.com/store/s-p-art

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