2022年4月8日号 Vol.419

アートのフリマ・イベント
「インターネットヤミ市―ダウンローデッド」
NowHereで

ブルックリンを拠点に活動する日本人アーティストデュオ「エキソニモ(exonemo)」が、4月16日(土)・17日(日)、アートのフリーマーケットイベント「インターネットヤミ市―ダウンローデッド」をソーホーのギャラリーNowHere(ナウヒア)で開催する。オープニングレセプションは4月15日(金)午後6時から。
「インターネットヤミ市」は、2012年日本で始まり、世界に拡散したフリーマーケット形式のイベント。東日本大震災後、日本各地に散った仲間とインターネットと実空間をつないだ実験を行うアーティスト集団として、エキソニモが「IDPW(アイパス)」を結成し、まずは日本で第一回目を開催した。

「インターネットに関するもの」をテーマにした、ユーモアあふれる商品やアイデアが実際の空間で売買される。その後海外にも広がり、これまで世界30都市で計43回開催されてきた。

ニューヨークでは今回が5回目の開催。過去10年間の活動をまとめた書籍「A DECADE TO DOWNLOAD」が出版されるに当たっての記念イベントとなる。



この書籍は、エキソニモが受託した大林財団の助成プロジェクト「都市のヴィジョン」の一環として制作された。これまでインターネットヤミ市に参加した出店者が、自らデザインした商品ページを中心に、書き下ろしのエッセイなど、ヤミ市の歴史がまとめられている。国境を越えたインターネット・サブカルチャーの記録本としても貴重な一冊となる。

今回会場では、書籍の展示と、約30組の出店者によるフリーマーケットが展開される。一風変わった作品群がずらりと並ぶ。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の常設展示作品に、AR技術を駆使し、自らの作品を重ねた展覧会をゲリラ開催したDamjanskiや、グリッチ柄のテキスタイルが人気のブランド「Glitchaus(R)」など、過去のインターネットヤミ市でも人気の高かったアーティストも参加する。

エキソニモは、千房けん輔・赤岩やえ夫妻によるアートユニット。1996年からインターネット上で活動開始。2000年以降は、表現の場を実空間へと拡張し、デジタルとアナログ、バーチャル空間と実空間など、二つの世界を自由に横断しながら、その境界線にフォーカスしたプロジェクトを数多く手がけている。

2006年には、世界的なメディアアート・コンペティション「アルス・エレクトロニカ」で大賞受賞。ニューヨークに拠点を移したのは2015年。ホイットニー美術館のオンライン展「Sunset/Sunrise」にも参加した、注目のアーティストユニットだ。

■4月16日(土)・17日(日)11:00am〜 6:00pm
■オープニングレセプション:
 4月15日(金)6:00〜8:00pm
■会場:NowHere
 40 Wooster St.(bet. Broome & Grand Sts.)
■詳細・問合せ:TEL: 917.675.6944
 info@nowhere-nyc.com
www.nowhere-nyc.com


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