2019年3月29日号 Vol.346

写真家・増浦行仁 個展
平成の大遷宮を記録
「気配」をカメラに

増浦行仁


大阪府出身の写真家・増浦行仁(ますうら・ゆきひと)の個展が4月3日(水)から6日(土)まで、チェルシーの「フォトケア・ギャラリー」で開催される。
今でこそ西洋でも「ワビ」「サビ」「カワイイ」など、多くの「日本的な美意識や概念」が知られているが、日本人が持つ芸術性の「気配」は、まだ馴染みが薄い。
2008年から出雲大社「平成の大遷宮」を撮影し始めた増浦は、60年毎に行われる改修の背景にある姿や、自然の中で受け継がれていくその「精神性」に着目。日本国内でも貴重な場所、神聖な聖域における「気配」をカメラに収めている。
ステイトメントで増浦は「美しさを維持しながら、千年以上も持続可能な社会を継続させることは可能だという証拠を世界に見せたい」と述べている。
1963年東京生まれの増浦は、ヴォーグ(パリ)の有名写真家ギィ・ブルダンのアシスタントになるため18歳で渡仏。マイヨール、ロダンなどに魅せられ3次元の立体を2次元の「写真」へ変換、独自の美的感覚を生み出した。ルーブル美術館やパリ近代美術館、ロダン美術館からコレクションの撮影を依頼され、1998年にはフランス国立図書館に作品31点が収蔵。1994年から2001年にかけてミケランジェロの全彫刻を撮影するプロジェクトに参加した。

■4月3日(水)~6日(土)
オープニングレセプション
4月3日(水)6:30pm-8:30pm
■会場:Foto-Care Gallery:
 43 W. 22nd St.
■Tel: 212-741-2991
www.fotocare.com


アーティストトーク
■4月2日(火)6:00pm-8:00pm
■会場:Bryant Park Corporation
 5 Bryant Park aka 1065 6th Avenue
 Suite 2400
■一般$35、メンバー$15
https://www.hbscny.org/events



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