Pharoah Whispers, 2020. Courtesy the artist. Photo: Nicholas Knight, Courtesy of Public Art Fund, NY.
ロサンゼルスを拠点に活動するエイウォール・エリスクによる最新プロジェクト「アイリスのための新しいビジョン(New Visions for Iris)」が6月24日(木)まで、ニューヨーク市内200ヵ所(およびシカゴ150ヵ所以上)のバス停で展開中だ。
Double Edge, 2020. Courtesy the artist. Photo: Nicholas Knight, Courtesy of Public Art Fund, NY.
今回のシリーズは、写真13枚で構成され、1歳になるエリスクの娘・アイリスに捧げられたもの。昨年、コロナ禍の不安と混乱の中で生まれた娘は、エリスクに幸福をもたらし大きな影響を与えた。ニューヨークのサウス・ブロンクスで育ったエリスクは、「自分のルーツや文化についてあまりよく知らなかった。娘には早い段階でそれらを伝えたかった」と制作動機を明かす。「アフリカのシンボル」と「現代におけるイスラム教」に焦点を当てた本作は同時に、「ハイブリッド・アイデンティティ」を持つ娘が成長し、難しい問題について向き合うための「出発点」と位置付ける。
Arrival, 2020. Courtesy the artist. Photo: Nicholas Knight, Courtesy of Public Art Fund, NY.
「アイリスのための新しいビジョン」は、タカラガイの殻、エジプト胸像、アフリカのマスク、エチオピアの文字、イスラム教徒の祈りなどを、花や現代的なモチーフと組み合わせた構図。いくつかの作品で登場している「鳥(猛禽類)」は「更新と変革のシンボル」で、自らのルーツと西洋文化の再構成に挑む。