2022年3月25日号 Vol.418

活動家マルコムXと河内山百合が壁画に
差別を批判し人々を鼓舞
アマンダ・ピンボディバキア「声を上げて」

①河内山百合(左)とマルコムXを描いたミューラル(“Raise Your Voice” by Amanda Phingbodhipakkiya. Photo courtesy of Museum of the City of New York)

ニューヨーク市立博物館で開催中の展示「ニューヨークの活動家(Activist New York)」に、「声を上げて(Raise Your Voice)」と題されたインスタレーションが追加された。

作家はタイ人の父とインドネシア人の母を持つアジア系アメリカ人で、ブルックリンを拠点に活動するアマンダ・ピンボディバキア。コロナ禍で嫌がらせや暴力を受けているAAPI(Asian Americans and Pacific Islanders :アジア系と太平洋諸島系アメリカ人)コミュニティへの理解を願うアートシリーズ「私はまだ、私たちの街を信じている(I Still Believe in Our City)」は、2020年のニューヨーク市差別撲滅キャンペーンとして展開。

2021年には、同じくAAPI支援を掲げたタイムズ・スクエア・アライアンス主催のパブリックアート・キャンペーン「私たちはもっと(We Are More)」を展開した。



今回の「声を上げて」は、「私たちはもっと」からのセレクションと新作を組み合わせたもの。タイトル「Raise Your Voice」がデザインされた壁面には、黒人解放運動指導者のマルコム・Xと、彼と深く交流があった日系アメリカ人の社会活動家、ユリ・コウチヤマ(河内山百合)が生き生きと描かれてる=写真①=。

“Raise Your Voice” by Amanda Phingbodhipakkiya. Photo courtesy of Museum of the City of New York

印象的なビジュアルと分かりやすく力強いキャッチコピーで、取り残されがちなコミュニティの多様性、美しさ、力強さを表現。差別行為を批判すると同時に、声をあげて立ち向かおうと、人々を鼓舞している。

Raise Your Voice + Activist New York
■開催中:金〜月10am–6pm(火〜木:休館)
■会場:Museum of the City of New York
 1220 Fifth Ave at 103rd St.
■大人$20、学生/シニア(65+)$14
 20歳未満無料
https://www.mcny.org


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