2020年3月20日号 Vol.370

世界35ヵ国から37本
最新の話題作、早くも登場!
「ニュー・ディレクターズ/ニュー・フィルムズ」


「ボーイズ・ステイト」Boys State, 2020. Directed by Jesse Moss and Amanda McBaine. All photos courtsey: New Directors/New Films


「モール・エージェント」The Mole Agent, 2020. Directed by Maite Alberdi


「コレクティブ」 Collective, 2019. Directed by Alexander Nanau


「春江水暖」Dwelling in the Fuchun Mountains, 2019 Directed by Gu Xiaogang


今年49回目を迎える「ニュー・ディレクターズ/ニュー・フィルムズ」が近代美術館(MoMA)とフィルム・ソサエティー・リンカーンセンターの共催で開催される。毎年、世界中からレアで質の高い新作を集めて上映。今回は世界35ヵ国から選ばれた長編27本、短編10本を上映する。

オープニングナイトは、ジェシー・モス監督とアマンダ・マクベイン監督のドキュメンタリー「ボーイズ・ステイト(Boys State)」。
アメリカで高校生を対象とした政府指導の「ボーイズ・ステイト」は、毎年夏に開催されるサマーキャプンのひとつ。10代の学生たちが、地方や郡、州政府の運営に参加するというプログラムで、学生たちは、市民の権利、特権、責任などについて学ぶ。映画では、テキサス州議会議事堂に集まった1000人を越える高校生が、「政府」を一から構築する様子を追う。
2020年サンダンス映画祭のUSドキュメンタリー・コンペティション部門でグランプリを獲得した作品。

クロージングナイドは、マイテ・アルベルディ監督のドキュメンタリー「モール・エージェント(The Mole Agent)」。
私立探偵のロムロは、ひとりの女性から「母親が入居する老人ホームで虐待されているのではないか」との相談を受ける。事実を探ろうと、チリのスパイ、セルジオを雇い、ホームに潜入させる。だが、セルジオは83歳、ジェームズ・ボンドでもなかった…。
個性的なキャラクターたちが奮闘する様子は、「スパイ映画の中で最も心温まる作品」と評された。

シャノン・マーフィー監督初の長編映画「ベビーティース(Babyteeth)」。
ガンを患う16歳の少女、ミラ・ファンレイは、麻薬の売人、23歳のモーゼに恋をする。病気のために長く生きられないミラと、死ぬことを恐れていないモーゼ。両親の心配をよそに、近づいていく2人だが…。人生の光と陰の中で、「見つけるもの」とは何かを問いかける。

その他、ルーマニアの医療スキャンダルに切り込んだアレクサンダー・ナナウ監督の「コレクティブ(Collective)」、火葬場で働く若いカップルの日常を舞台にしたジャニス・ラファ監督の「カラ・アザール(Kala azar)」、杭州・富陽の自然を背景に、一つの家族の変遷を描いたグー・シャオガン監督デビュー作「春江水暖(Dwelling in the Fuchun Mountains)」など。
全上映リストはオフィシャルサイトで確認を。

New Directors/New Films
■開催延期:詳細は後日発表
■会場:①Walter Reade Theater:
 165 W. 65th St.
 ②MoMA:11 W. 53 St.
■一般$17、学生/62歳以上/メンバー$12
www.newdirectors.org

※新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、リンカーンセンター映画部とパフォーミングアーツ部は3月12日午後5時からWalter Reade TheaterとElinor Bunin Munroe Film Centerを閉館、同映画祭は延期となりました。新日程などの追加情報は、今後、数週間以内に発表される予定です。最新情報はオフィシャルサイトでご確認ください。(3月12日現在・編集部)


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