2023年03月17日号 Vol.441

屋内より外がいい!
80点以上を紹介
「ニューヨークのバンクシー:汚損」

①アッパーウエスト(W.79St.とBroadway交差点、北東ビル壁面)に現存する「ハンマー・ボーイ」 Photo by KC of Yomitime

神出鬼没なストリート・アーティスト、バンクシーの作品を集めた展示「ニューヨークのバンクシー:汚損(Banksy in New York City: Defaced)」が、ローワーマンハッタンで5月14日(日)まで開催されている。

2013年10月1日から1ヵ月、バンクシーがニューヨークを舞台に行ったゲリラ活動「屋内より外がいい(Better Out Than In)」。毎日ひとつの作品を市内さまざまな場所で制作し、専用サイトとインスタグラムに投稿。場所が明かされなかったことから、人々は彼の作品を探し求めて街中を駆け回った。


作品が描かれたビルや土地のオーナーは、それを歓迎した一方、当時のブルームバーグNY市長はバンクシーの行為を「アート」とは認めておらず、「落書きは人々の財産を破壊するものだ」と批判。政治的なメッセージが強い作品も多かったことから、論争を巻き起こした。

この様子は翌年、HBOドキュメンタリー「バンクシー・ダズ・ニューヨーク(Banksy Does New York)」で紹介された。

②ステンシル・シリーズ「風船と少女(Girl With Balloon)」」Photo courtesy MetaMorfosi NY

市内各所で様々な「落書き」を残したバンクシーだが、彼の思惑通り、そのほとんどはすでに存在しない。「ハンマー・ボーイ(Hammer Boy)」=写真①=は、アッパーウエストに現存する貴重な一作で、アクリルで覆われ保存されている。

③ミッキーマウスを呑み込んだヘビ「Mickey Snake」Photo courtesy MetaMorfosi NY

本展は、そんなバンクシーの「レジデンシー」活動を回顧し、「メタモルフォシNY(MetaMorfosi NY)」が企画。開催に際し本人の許可は取っていないものの、展示品はバンクシー作品の公式認証機関「ペストコントロール」が本物だと認定。有名なステンシル・シリーズ「風船と少女(Girl With Balloon)」=写真②=や、「POLICE(警察)」と書かれた防弾チョッキを着た2人の子ども「ジャック & ジル(ポリスキッズ)=Jack and Jill (Police Kids)」、ミッキーマウスを飲み込んだ巨大な蛇の彫刻「ミッキースネーク(Mickey Snake)」=写真③=など、30年のキャリアから80点以上が紹介されている。

Banksy in New York: Defaced
■5月14日(日)まで
■ 会場:378 Broadway
■大人$18〜、学生/シニア$14〜
 2-13歳$14〜
https://banksyartexhibit.com/new-york


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