2021年3月12日号 Vol.393

声明コンサート「月の光言」
JS+シカゴ大学が共同制作
3月30日ライブ配信

© Japan Society

ジャパン・ソサエティー(JS)舞台公演部とシカゴ大学が「声明の会・千年の聲」によるバーチャル声明コンサート「月の光言」を共同制作、3月30日(火)にオンラインでライブ配信する。ライブ終了後も4月30日(金)まで、オンデマンドで何度でも視聴することができる。

「声明」(しょうみょう)とは、仏教の儀式や法要の際に、僧侶によって仏典に節(ふし)を付けて歌われる声楽のこと。6世紀にインドからシルクロードを渡って日本に伝来したといわれる。その歴史と音楽性において、キリスト教のグレゴリア聖歌とともに、優れた宗教(礼典)音楽として知られている。



「声明の会・千年の聲」は創設1997年。日本の聲明の二大潮流を成す真言宗・天台宗の指導者4人が始めた会だ。真言宗の孤島由昌、新井弘順と、天台宗の海老原廣伸、京戸慈孝が、宗派を越え「聲明四人の会」を結成し、その後、中堅、若手の成長に伴い「声明の会・千年の聲」と改めた。

古典作品の紹介と、現代作曲家に委託しての新作声明の発表で、宗教にとらわれない、文化としての声明を一般に紹介するとともに、その伝承、保存に努める。

© Japan Society

今回、インターネットで配信される同コンサートは、鎌倉幕府の執権北条時頼によって創建されたと伝えられる、真言宗寺院の安養院で行われる。

「月の光言」を作曲した桑原ゆうは、声明に新たな息吹を吹き込む若手作曲家の一人。日本人ならではの、全く新しい形の音楽的方法論を探求する桑原の作品は、20人の僧侶の合唱による、音楽法要のための「レクイエム」や、三味線音楽「風の陀羅尼」「弦の陀 羅尼」「越後獅子幻想」等、高い評価を得ている。

JSがプロデュースする公演で、桑原の作品が演奏されるのは、2018年の本條秀慈郎三味線公演に続いて2度目。公演は日本語、英語字幕。30日の終演後には、アーティストによる質疑応答が予定されている。

■3月30日(火)8:00pm
■オンライン配信
※チケット購入後、登録Emailに後日配信情報を送付
■一般$15、JS会員$12
ボックスオフィスTEL: 212-715-1258
www.japansociety.org


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