2022年3月11日号 Vol.417 |
ホームレス問題を考える
企画展「UnHomeless NYC」
ニューヨーク市のホームレス問題をテーマにした企画展「UnHomeless NYC」が、3月7日(月)から4月14日(木)まで、ブルックリンのキングズボロ美術館で開催中だ。
同展を企画したのは、ニューヨーク市立大学キングズボロ校の山村みどり助教授。参加型アートを表現手法とする、15人の作家と、作家グループの活動を通して、ニューヨークの住宅危機を様々なアングルから検証しようという趣向だ。
山村助教授は、この展示を企画する経緯を次のように話す。「住居を持つことは基本的人権ですが、ニューヨークでは1970年以降不動産が投資対象となり、現在ホームレス人口の3倍数の空き家が存在するという状況です。ニューヨーク市立大学では学生のホームレスも増加しています。私自身、ニューヨークに来て2年目に大家がアパートに放火し、強制退去する羽目に遭った経験があります。ホームレスというスティグマを乗り越えられるような展示を企画したいと考え、2年越しで計画しました」
出品作品は、3つのテーマ「ホームレスを生み出す社会構造」「路上生活の現状」「未来の展望」に分類。アート、ドキュメンタリー映画、ビデオ作品、グラフ化したデータなど、フレキシブルなフォーマットで展示する。
日本人作家、安田佐智種も参加。ホームレスの人々に直接インタビューを行い、リサイクル品を用いて1点ずつ手作りの衣服を制作し=写真=、進呈するという企画だ。
■3月7日(月)〜4月14日(木)
※土曜来館は山村さんに予約
Myamamura3524@gmail.com
※日曜休館
■入場無料
■会場:Kingsborough Art Museum
S-Building,
2001 Oriental Blvd., Brooklyn
■TEL: 718-368-4817
■homelessnyc.commons.gc.cuny.edu
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