2022年3月11日号 Vol.417

菅原・ベダ西紀 個展
「Somewhere Around There」
黒黒白シリーズから約40点

展示風景

日系アメリカ人のビジュアルアーティスト菅原・ベダ西紀の個展「Somewhere Around There」が、ブルックリンのギャラリーで3月3日(木)から始まり、27日(日)まで開催されている。

菅原は、テキサス州ダラスを拠点に制作活動を展開しているが、開催中はニューヨーク市に滞在。今回がニューヨーク初個展となる。

横浜市出身で、在米20年。ポートランド州立大学美術科卒、インディアナ大学ブルーミントン校では絵画専攻で美術学修士号を取得。この15年間、米国内、イギリスなどで積極的に作品を発表している。



作風は主に絵画とインスタレーションで、今回展示するのは墨を使ったKuroKuroShrio(黒黒白)シリーズからの新作を含めたおよそ40点。木のパネルに描かれた絵や、掛け軸として完成させた作品群も披露。奈良墨を使用し、日本独特の詩や風景画の美観、西洋の抽象画を行き来する様な、抽象風景画だ。展示タイトル「Somewhere Around There(そこのどこか)」が示すように、鑑賞者を「どこか」へ誘い、魂との静かな対話を促す。

世界中を旅し、米国の多文化を一移民の視点で見てきた経験から、人間性という人類共通の核心に触れる作品を創ることで知られる。作品の根底には、「温故知新」の哲学があると菅原は言う。

■3月3日(木)〜27日(日)
■クロージングレセプション:27日(日)3:00〜5:00pm
■会場:Amos Eno Gallery
 56 Bogart St., Brooklyn
Amoseno.org


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