2020年2月21日号 Vol.368

澤野水纓4年ぶりのNY個展
教会で大作展示
「永遠の美」展


Through The Blossoms © Mizue Sawano



ニューヨーク在住の画家・澤野水纓(さわの・みずえ)=写真=の個展「永遠の美(Eternal Beauty)」が2月27日(木)から6月11日(木)まで、ミッドタウンのセントピーターズ教会で開催される。地元ニューヨークでの個展は4年ぶりとなる。
澤野は今回の個展を、「平和のシンボルともいえる教会」での展示として、特別の思い入れをもって準備を進めてきた。澤野は次のように今回の作品について語る。
「私はいつも、絵を通して人々とつながり、社会に参加し、貢献したいと思っています。植物をモチーフに、自然界の生命の輝きをとらえ、人々の夢と希望を投影し、永遠の美を追求しています。私が描く桜も睡蓮も、平和な陽の光と風と雨の潤い中で、美しく生き続けます。春から初夏にかけての素晴らしい季節に、教会を訪れる方々と幸せな時間を共有できるなら、私にとって無上の喜びです」。
今回は、教会ロビーの広いギャラリー壁面それぞれに、澤野の代表作である桜や睡蓮の大作が展示される。

澤野は1966年、東京藝術大学大学院在学中にフランス政府給費生として渡仏。68年ニューヨークに移り住み、アートスチューデントリーグに在籍後わずか1年で永久会員を授与される。
1975年からはブルックリン植物園の桜や睡蓮をモチーフとした作品を積極的に発表し、1976年、ウォルドーフ・アストリア・ホテルの緞帳コンペで入魂の大作「睡蓮」が選ばれる。以来、ブルックリン植物園スタンハード・コンサバトリー・ギャラリーで2回の大規模個展 、ワシントンDC・国立女性美術館での展覧会へとつながり、いまや桜と睡蓮の絵画作品は澤野の代名詞ともなっている。
主なプロジェクトシリーズとして、2000年から2018年にかけ、中世の要塞として栄えた町モロッコ・アシラでの芸術祭に毎年招かれ、個展や壁画制作を行なった。
日本では、1992年から5年ごと、2002年から4年ごとに東京・高島屋アートギャラリーで招待個展を開催。次回は2022年に予定され、通算8回目を迎える。

■2月27日(木)~6月11日(木)
 レセプション:2月27日(木)6-8pm
■会場:St. Peter's Church
 619 Lexington Ave.(at 54th St.)
 TEL: 212-935-2200
www.saintpeters.org


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