2022年2月11日号 Vol.415

偉大なエンターテイナー
ヒット曲で綴るマイケル・ジャクソンの半生
「MJ ザ・ミュージカル」

①(左から)レッドカーペットに参加した子ども時代のマーロンを演じるデビン・トレイ・キャンベル、交代でマイケルを演じるクリスチャン・ウィルソンとウォルター・ラッセルIII (Photo by KC of Yomitime)

コロナ禍で何度も延期されていたマイケル・ジャクソンの半生を描いたミュージカル「MJ ザ・ミュージカル」が、昨年12月6日からのプレビュー公演を経て2月1日(火)、正式に開幕した。

ショーは、1992年から93年まで世界各地で行われた公演「デンジャラス・ワールド・ツアー」の舞台裏にフォーカス。兄弟で結成・活動した「ジャクソン5」から、「キング・オブ・ポップ」と称されるまでに上り詰めたその功績を、2時間半で駆け抜ける。



1962年に結成された「ジャクソン5」。幼かったマーロンとマイケルが加入したのは63年からで、マイケルはその歌唱力とキュートなルックスで瞬く間に注目の存在となる。そんな「リトル・マイケル」を交互に演じるのは、ニューヨーク市ハーレム出身のウォルター・ラッセルIII=写真①右=と、ブロードウェイ・デビューとなったバージニア州ノーフォーク出身のクリスチャン・ウィルソン=写真①中央=だ。

また、1970年代から80年代初頭の「ミドル・マイケル」をタヴォン・オールズサンプル=写真②=が、スーパースター「MJ」をマイルズ・フロスト=表紙写真=が演じており、ふたりは共に本作でブロードウェイ・デビューを果たした。

ちなみに、プロデューサーとして、吉井久美子氏(ゴージャスエンターテイメント社長)と、木下直哉氏(木下グループ代表取締役社長兼グループCEO)のふたりの日本人が名を連ねている。

②タヴォン・オールズサンプル(Photo by KC of Yomitime)

物語の主な舞台は1992年、ロサンゼルスのリハーサル・スタジオ。観客は世界ツアーの準備をする完璧主義者のMJを目撃すると同時に、世代の異なるマイケルたちに導かれ、現在と過去を往き来する。

曲は、「ジャクソン5」時代の「帰ってほしいの」、「ABC」、「小さな経験」や、MTV全盛期のチャートバスター、「バッド」、「ビリー・ジーン」、「スリラー」、「マン・イン・ザ・ミラー」など37タイトル。ムーンウォークやゼロ・グラヴィティなど、特徴的なマイケルのダンスと圧倒的な歌唱力、キレのあるバックダンサーたちが会場を沸かせる。ニューヨーク・タイムズ紙は「構成は同様のミュージカルよりもはるかに多様で表現力がある」と評した。

映画監督のスパイク・リーはマイケルのTシャツを着て登場(Photo by KC of Yomitime)

1日のオープニング・ナイトには多数のセレブが来場。レッドカーペットには、映画監督のスパイク・リーやケニー・オルテガ、俳優のジョエル・グレイ、ソウルシンガーのフレディ・ジャクソンらが参加。さらにマイケルの子どもたち、長女のパリスと長男のプリンスも現れ、レッドカーペットには登場しなかったものの次男のブランケットも来場、父の偉業を祝した。

2009年6月25日、麻酔薬の過剰摂取で急逝したマイケル・ジャクソン。「MJ」は、20世紀で最も偉大なエンターテイナーとして活躍したマイケルの足跡を示す、新たなバイオ・ミュージカルだ。

MJ The Musical
■会場:Neil Simon Theatre
 250 W. 52nd St.
■$59〜
■上演時間:2時間30分
mjthemusical.com


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