2023年02月10日号 Vol.439

不気味ながらも魅力的な世界観
「鬼才」監督が持つ「創造力」の片鱗
「ギレルモ・デル・トロ:ピノッキオの作り方」

「ピノッキオ」のセットとギレルモ・デル・トロ Image courtesy Jason Schmidt/Netflix

メキシコを代表する映画監督、ギレルモ・デル・トロが手がけた初のストップモーション・アニメ「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(Guillermo del Toro's Pinocchio)」にフォーカスした展示が4月15日(土)まで、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催中だ。



昨年11月、ネットフリックス(Netflix)で配信が始まった同作。演出、音楽、アニメーション技術などが高く評価され、第80回ゴールデングローブ賞・アニメ映画賞を受賞。また、完成までに15年を費やしたという制作風景を捉えた30分のドキュメンタリー「手彫りの映画、その舞台裏(Handcarved Cinema)」も配信されている。

「アニメーション以上に、私の人生と作品に影響を与えた芸術形態はなく、『ピノッキオ』ほど、私と個人的な繋がりを持ったキャラクターは一人もいません」とコメントするデル・トロ監督。子どもの頃からホラー映画が好きだったことから、「エクソシスト」で特殊メイクを手がけたディック・スミスに師事。不気味ながらも魅力的なキャラクターが独自の世界観を生み出している。

「ピノッキオ」のフィギュア © 2022 The Museum of Modern Art. Photo: Emile Askey

会場には「ピノッキオ」に登場するキャラクターを筆頭に、小道具、制作中の様子、映画セットなどを展示。キャラクターに「命」を吹き込む複雑なプロセスを記録したビデオ・インスタレーションも公開。展示最後は、監督が手がけた映画「デビルズ・バックボーン」、「パンズ・ラビリンス」、「パシフィック・リム」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「ナイトメア・アリー」のビデオとポスターを組み合わせた没入型インスタレーションで締め括られる。

「鬼才」デル・トロ監督が持つ「創造力」の片鱗を見ることができる展示。

Guillermo del Toro:Crafting Pinocchio
■4月15日(土)まで
■会場:The Museum of Modern Art (MoMA)
 11 W. 53 St.
■$25、65歳以上$18、学生$14、16歳以下無料
※毎月第一金曜4pm-8pm:入場無料
https://www.moma.org


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