2019年2月8日号 Vol.343

認知症予防に楽しく折り紙
「脳セラピー折り紙」小林利子著

脳セラピー折り紙


米国アートセラピー学会認定アートセラピスト・小林利子氏の新著「脳セラピー折り紙」(ブティック社刊)が、1月16日出版された。考えながら、指先の作業を楽しむ折り紙の認知症予防効果や、効率的な脳の活性化方法を解説する一冊だ。
小林氏は、ニューヨーク市でアートセラピストとして日々クライアントに接しながら、折り紙を使った独自の「表現折り紙療法」を提唱。日本や英米での国際学会で発表している。
これまでも、折り紙の脳活性効果は、多くの研究で実証されてきた。高齢化が進む近年、日本では地方自治体がその効果に着目し、認知症患者への支援活動に折り紙を導入している。そんな介護福祉現場で活用できるようにと、小林氏はこの本を「誰にでも折りやすい内容にした」という。
「長方形や三角など、基本的な折り方を中心に、箱やコースターといった簡単なものを紹介しています。認知症を予防したい、または認知症の進行を遅らせたい高齢者と、彼らを支援する介護士や福祉士が、楽しく一緒に折り紙ができるようにと思いました」と小林氏。
文字やイラストも大きく印刷され、「できなければここまででもOK」などの吹き出しのコメント付きで、見やすいのも特徴だ。また、「折り紙がないから折れない」で終わらないように、「新聞のチラシなど、リサイクル紙を使いましょう」と提案する。
「気持ちを込めて、フォーカスして何かを行うことが脳の活性化になり、認知症の予防につながります。折り紙に触るだけでもいいのです。指を上手に動かせなければ、動く範囲でやればいいのです」と小林氏は話す。
できる範囲でやる中で、脳の活性効果を120パーセント引き出すための方法も伝授。折り紙を始める前の簡単な体操も紹介している。

小林利子著
「脳セラピー折り紙」
ブティック社刊・税込み1300円



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