2020年2月7日号 Vol.367

「受け継がれる日本の美」
コロンビア大学陶芸展


Bonnie Levine, We Resting


Aimee Ehrman, Degradation


日本クラブ主催の「コロンビア大学ティーチャーズカレッジ陶芸展〜受け継がれる日本の美〜」が2月13日(木)から26日(水)まで、日本ギャラリーで開催される。
コロンビア大学ティーチャーズカレッジの陶芸プログラムは、ニューヨーク市内の陶芸スタジオでも最も古いものの一つ。この展示会では、教授と学生13人による、日本の陶芸文化の影響を強く受けた42作品を紹介する。
戦前のアメリカでは、ヨーロッパの技術を模範とした器作りが中心だったが、戦後それが一変する。イギリスの陶芸家バーナード・リーチが1909〜20年、日本に滞在中に陶芸家・濱田庄司に出会ったことがきっかけだった。折しも工場での陶器の大量生産が主流になっていた時代。イギリスに戻ったリーチは、日本の伝統陶芸技術を伝えることで、自国の手作りの陶芸文化・技術も復活させた。
当時のアメリカの陶芸家もリーチの影響を受け、日本の陶芸技術を取り入れるようになった。日本の陶器は高温(摂氏1300度)で焼き上げられるため、色彩が豊かになるが、それに倣いアメリカでは、1950年以降ガスを使った高温窯が増えていった。それ以前のアメリカでは、ほとんどが低温窯だったものだ。
現代のアメリカの陶芸家たちが、日本から強く影響を受けていることは、今回の展示で一目瞭然。表面に現れる鉄のスポットなどは、高温で焼き上げた時の陶器の特徴であり、「非対称」や「不完全」をも美とする日本独特の感覚がみてとれる。

■2月13日(木)〜26日(水)
■会場:日本ギャラリー(日本クラブ7階)
 145 W. 57th St.
■TEL: 212-581-2223
 info@nipponclub.org
■入場無料
www.nipponclub.org


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