2020年2月7日号 Vol.367

ATGの知られざる巨匠
実相寺監督・作品上映
「実相寺昭雄~仏教トリロジー~」


「曼荼羅」Mandala © Courtesy of Arrow Films


「哥」Poem © Courtesy of Arrow Films


「あさき夢みし」It Was a Faint Dream © Arrow Films


日本アートシアターギルド(通称ATG)の知られざる巨匠・実相寺昭雄監督の3作品を集めた上映会「実相寺昭雄〜仏教トリロジー〜」が、2月15日(土)と22日(土)、ジャパン・ソサエティー(JS)で行われる。18歳以上対象。日本語、英語字幕。
上映作品は、実相寺監督がATGで手掛け、劇場公開後50周年となる「無常」(1970年)と、「曼陀羅」(71年)、「哥」(72年)。いずれも最新のデジタルリマスター版で上映する。
実相寺監督は1960年代後半、円谷プロのテレビシリーズ「ウルトラマン」の演出や脚本を手掛けた。その後テレビ局を退社して製作したのが、今回上映する3作品だ。いずれも実相寺監督と脚本家の石堂淑朗のコンビ作品。仏教の解釈を独自に表現しただけでなく、姉と弟の近親相姦など大胆な性描写で、反社会的な題材を取り上げている。
上映日程と作品紹介は別記。「無常」上映会では、プラット・インスティチュート人文学&メディア学科のイーサン・スピグランド教授による冒頭解説がある。

マンスリークラシック
実相寺監督、4作目上映

毎月1回、代表的な日本映画やレア作品を上映する「マンスリー・クラシック」。2月の上映会は、「実相寺昭雄〜仏教トリロジー〜」に絡め、実相寺監督の第4作目「あさき夢みし」(1974年)を上映する。

【作品紹介】
「無常」(70年)

実相寺監督の長編映画第一作。197 0年ロカルノ映画祭グランプリ受賞。日本的風土の中での近親相姦を通じて、人間の精神の「原鉱」を探ろうとした意欲作。

「曼陀羅」(71年)
恋人交換、暴行、サディズムなど、さまざまな形の性が交差する様が描かれる。大胆な性描写を用いて観念的なテーマを扱い、革命幻想と日本の姿に迫る。

「哥」(72年)
「無常」「曼陀羅」に続き、日本人の内なる精神構造を追及した完結編。

「あさき夢みし」(74年)
13世紀後半、後嵯峨法皇院政の時代、貴族の家に生まれた四条(ジャネット八田)は、4歳から上皇のもとで育てられ寵愛を受けていた。やがて美しく成長した四条は、貴族や僧侶など数人の男たちから求愛され、翻弄されていくうちに自身の生き方に空しさを覚え出家、旅に出る。

実相寺昭雄〜仏教トリロジー〜
■2月15日(土)
1:00pm「無常」
4:00pm「曼陀羅」
7:00pm「哥」
■2月22日(土)
1:00pm「曼陀羅」
4:00pm「哥」
7:00pm「無常」


マンスリークラシック
■2月7日(金)7:00pm


■会場: Japan Society
333 E. 47th St.
■「実相寺昭雄〜仏教トリロジー〜」各上映会につき
一般$14、シニア/学生$11、JS会員$10
※3作品同時購入で各上映会につき$2の割引
■「マンスリークラシック」
一般$14、シニア/学生 $11、JS会員$5
■Box Office: 212-715-1258
www.japansociety.org



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