2021年1月29日号 Vol.390

波乱のワクチン事情(1)
製造・配給の促進図るバイデン新政権

全米で新型コロナウイルス・ワクチンの接種が始まっており、ニューヨーク州でも接種のためのインフラは整えられているが、ここにきて連邦レベルでのワクチン枯渇が判明。各州でそれを受けて混乱が生じているが、新型コロナ対策を最優先するバイデン新政権の下、ワクチン製造と配給が加速されている。状況は流動的なので、各自注意して政府発表に耳を傾け、ワクチン事情を把握したい。

1月27日の記者会見でワクチンの状況を説明するクオモ州知事(左)(Photo by Mike Groll/Office of Governor Andrew M. Cuomo)

ニューヨーク州では1月22日(金)時点ですでにあるワクチンを使い切ったが、25日の週から、週に約25万回分のワクチンが、連邦政府から州に配給されることになっている。

連邦政府のワクチン枯渇の報を受け、クオモ知事は当初、州が直接ワクチンを購入できないか製薬会社ファイザーに問い合わせていた。しかし、ワクチン配給は必ず連邦政府から各州に配給される必要があることが判明したため、同知事は現在、バイデン新政権のワクチン加速政策に期待すると同時に、州内での配給プロセスを再調整しているところだ。22日のブリーフィングで知事は、病院やその他のワクチン接種施設に対し、予約のキャンセルを避けるために、配給数を確認し、その数だけ予約を入れるよう呼びかけた。



不安が広がったのは、主に1回目の接種を受けた層の間でだった。これについてデブラシオ市長は、ブリーフィングで、「2回目の接種は1回目から3〜4週間後とされているが、仮に接種が遅れても効果に影響はないと医師が明言している」と説明。クオモ知事も州民に向けての情報メール発信で21日、「2回目の接種が受けられないかもしれないと不安に思う必要はない。予定通り受けられるため心配無用」と太鼓判を押した。

バイデン政権の現在の製造・配給ペースでは、ニューヨーク州民の接種がほぼ完了するには17週間(約4ヵ月)かかると予測。ただし、これも流動的だ。

(※1月28日アップデート)1月27日(木)のブリーフィングでクオモ知事は、「連邦政府は毎週のワクチン供給を16%拡大すると約束しているが、現在、ワクチンの接種資格がある700万人のニューヨーカーに対してはまだ十分ではない。我々は、辛抱強く待つ必要がある」と発言。予約無しで予防接種会場を訪問しないよう、市民への協力を呼びかけた。



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