2023年01月27日号 Vol.438

日本クラブ企画展
エレガントないきもの
日本美術に見る爬虫類、昆虫、甲殻類

明珍自在銅製蟹置物、明治時代(19世紀後半)「サワガニ」銘 長次

日本クラブ主催の企画展「エレガントないきもの――日本美術に見る爬虫類、昆虫、甲殻類」が、2月2日(木)から23日(木)まで、日本ギャラリー(日本クラブ7階)で開催される。同時に2月16日(木)から3月9日(木)までは、ウェブ・ギャラリーでも開催する。キュレーターは堀佐知子。

主に昆虫、爬虫類、甲殻類を題材にした、優れた日本美術品を紹介する展覧会だ。人類の生命活動も影響し、地球上でさまざまな生物が絶滅の危機に瀕する中、日本クラブは「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」に注目し、この展示を企画した。



日本人は、古代より「生きとし生けるもの」に親しみを感じ、ごく自然に日常の生活用具や工芸品にそれらを表現してきた。動物だけでなく、爬虫類、甲殻類、昆虫にまで及ぶ。

古代中国の埋葬にも、翡翠(カワセミ)を口に埋め込む習慣があった。中世ヨーロッパでも、爬虫類や昆虫を美術品の題材として扱った例も見られるが、日本ほど詳細に、またユーモアたっぷりに表現する例は少ないと言われている。

この展示会では、米国東海岸の2大コレクションから、明治の陶器部門で帝室技芸員に指名された真葛香山(1842〜1916)の陶器、薩摩焼や、金属を使った工芸品(起立工商会社の品を含む)の花瓶、七宝、鉄・銅の自在置物、ジュエリー、テキスタイルなど、約30点の日本美術品を展示する予定だ。これらの作品群は、虫をユーモラスにイキイキと表現している。

■2月2日(木)〜23日(木)
■会場:日本ギャラリー
 (日本クラブ 7階)
 145. W. 57th St.

■オンライン開催:2月16日(木)〜3月9日(木)
■WEBギャラリー
 nippongallery.nipponclub.org

■いずれも観覧無料
■詳細:www.nipponclub.org
■問合せ:gallery@nipponclub.org


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