本作「note to a friend」のプロモーション・ビデオで、「芥川龍之介のファンです」と語るラング氏。日本人でも難解な心理を描いた芥川の魅力とは何だろうか。
「深層心理の描写や人間のエゴイズムに焦点をあてた芥川作品は、なかなか理解するのも難しいとは思います。実のところ、人間であれば誰もが感じ、経験することが描かれているものの、万人が『共感』する訳ではありません。「Autumn Mountain(秋山図)」は好きな芥川作品で、当初、候補作品のひとつでしたが、やはり理解するのはたやすいことではない。ですが、その複雑さ、奥深さが、私が芥川に魅了される理由のひとつです。『note to a friend』の核心=なぜ彼は死ななければならなかったのか、なぜ自殺したのか=。彼は友人に手紙を書き残しましたが、その真意は作家・芥川のみぞ知る…そんなミステリアスなところも魅力です」