2019年1月25日号 Vol.342

劇作家ハルナ・リー氏迎え
日本の自殺文化とその芸術的反映

日本の自殺文化とその芸術的反映
Kristine Haruna Lee © Sasha Arutyunova


ジャパン・ソサエティー(JS)が1月23日(水)、劇作家・演出家のクリスティン・ハルナ・リー氏と、テキサス大学オースティン校の准教授、キルスティン・ケーサ氏を招き、講演会「日本の自殺文化とその芸術的反映」を開催する。
リー氏は、劇作品「スーサイド・フォレスト」で、ニューヨーク・ダウンタウンの若手演劇人として、近年注目を集めている。作品タイトルは、日本の自殺の名所・青木ヶ原を示しており、作品中サラリーマンの意識の中に常に浮上してくる存在だ。アヤ・オガワの演出で、今年2月ブルックリンの小劇場ブッシュウィック・スター(www.thebushwickstarr.org)で初演される。今回の講演会は、それを記念して開かれるもの。
まず、日本の自殺の歴史と、現代日本人の自殺のとらえ方についての研究を手がけるケーサ准教授が、自殺大国日本についてと、「曽根崎心中」に代表される自殺を題材にした日本の芸術文化のあり方について話をする。
続いて、リー氏と互いに意見交換し、「スーサイド・フォレスト」の一部を朗読で紹介する。

「スーサイド・フォレスト」は、1980年代の日本を舞台にした物語。公私にわたり、上司から圧迫を受けるサラリーマンと、クラスメートから性的ないじめを受ける女子高生が、奇異な出会いをする。
リー氏は、日本人の母、台湾人の父を持ち、香港で生まれ東京とシアトルで育つ。現在ブルックリンを中心に活動中。異文化の中で、人種差別や性差別に面した時に生じる摩擦について、個人的な経験を引用しつつ、それを戯曲に取り込むという実験を続けている。2010年以来、リー主宰の劇団「harunalee」で6作品を発表。

■1月23日(水)7:30pm
■会場:Japan Society
 333 E. 47th St.
■一般$15、JS会員$10
■Box Office:
 Tel: 212-715-1258
www.japansociety.org


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