2019年1月25日号 Vol.342

現代日本戯曲: 英語版リーディング・シリーズ第14弾
テイラー・レイノルズ演出「漏れて100年」

ルーチョ・フォンタナ
サリngROCK (左)とテイラー・レイノルズ


ジャパン・ソサエティー(JS)で2月4日(月)午後7時30分から、岸田國士戯曲賞2013年の最終候補作品「漏れて100年」が上演される。JS舞台公演部の第14回目となる年次恒例プログラム「現代日本の戯曲:英訳版リーディング・シリーズ」の一環。

大阪をベースに、関西弁のセリフと極彩色な舞台が特徴の劇団「突劇金魚」の主宰者が2012年に書き下ろした戯曲。大地が汚染され、人間が生きる事がほとんど不可能になった架空の世界が舞台。「仙人」と名乗る謎の老人に拾われ、育てられる主人公の少年さち。5歳だったさちが、超孤独の中、105歳で数奇な人生を終えるまでの100年間を綴る。人間がほとんど絶えていなくなった世界の中で、女性という存在を知らないさちは、「生殖」「繁殖」という概念すら持たない。ミステリアスな設定で始まる物語は、さちの成長と共に徐々に解き明かされ、それと共に深まるさちの孤独な体験を通じて、人間社会の営みの根源的な意味を静かに考えさせる。

演出はハーレムのThe Movement Theater Companyの4人の共同主宰者のひとりで有望気鋭の演出家に与えられるClubbed Thumbフェローシップの昨年度の受賞者、テイラー・レイノルズ。昨年6月に演出を手がけた演劇作品「Plano」では、ニューヨーク・タイムズ紙に「すばらしいテンポ」と評された。上演後の質疑応答で劇作家のサリngROCK (サリングロック)と演出家のテイラー・レイノルズが登壇する。

2月4日(月)7:30pm
*上演後、劇作家のサリngROCKと演出家のテイラー・レイノルズによる質疑応答あり
会場:ジャパン・ソサエティー
333 East 47th Street
一般$15/JS会員$10
212-715-1258
wwwjapansociety.org


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