2021年1月15日号 Vol.389

「ラママ・ムーブズ!ダンス・フェスティバル」
ラママ実験劇場で「山中家」配信
1月26日(火)・27日(水)7:00PM

「山中家(The Yamanakas At Home)」

今年で15回目を迎えた「ラママ・ムーブズ!ダンス・フェスティバル(La MaMa Moves! Dance Festival)」が1月19日(火)から始まり、1月27日(水)まで開催中。今回はコロナ禍により、初のバーチャル開催となった。

半世紀以上に渡り、前衛演劇やダンスを発信し続けて来たイーストビレッジのラママ実験劇場。寺山修司、野田秀樹など日本のアーティストとも縁が深い劇場だ。

1月26日(火)・27日(水)午後7時から、「山中家(The Yamanakas At Home)」が配信される。映像作家・振付家のタマー・ロゴフ(ニューヨーク)とダンサーの山中芽衣(東京)が、海を隔てて共同創作した異色のダンス&映像作品だ。

東京に住む山中夫妻のもとに、不思議なことが起こり出す。「誰か」が室内に米粒を残して行くのだ。それも、常に二人を囲むように、米粒でぐるりと輪が描かれている。何度取り除いてもいつの間にか米粒の輪は戻って来る。夫妻は何者かに取り憑かれているのか、それとも…。

昨年5月に予定されていた「ラママ・ムーブズ!」で、ロゴフ氏の振付作品に山中の出演が決まっていた。しかし、パンデミックでフェスティバルは中止となり、山中は帰国。東京で家族を踊りに巻き込んで行く動画を山中がSNSに投稿、ロゴフはそこからインスピレーションを得て、二人のクリエーションが始まった。ロゴフがコンセプトと演出、山中がダンスと撮影を担当、夫妻役として山中芽衣の両親が出演している。

真実とフィクション、日常と異次元、過去と現在、ダンサーと非ダンサー、さまざまな相反と相違を取り込んだ本作は、ワーク・イン・プログレスで今回が初公開。今後も発展を続けて行く。また、ロゴフ氏の短編映像作品「Wonder About Merri」なども配信される。



山中家(The Yamanakas At Home)
1月26日(火)、27日(水)7:00PM
チケット:$5〜(任意)
詳細、視聴はラママのサイト
www.lamama.org


【タマー・ロゴフ Tamar Rogoff】
ニューヨークを拠点とする映像作家・振付家。極限の状況に置かれた人間の生きる様を探求し、困難な物語を優しさのこもった独特の視点で表現する。伝統的な劇場での公演から、大規模なサイトでのパフォーマンス、映画などさまざまな媒体で発表を行なって来た。『The Ivye Project』(1994)はベラルーシの森の中、ホロコーストで命を落としたロゴフの親族を始めとする人々の墓標の周りで行われた。それを元にしたドキュメンタリー映画『Summer in Ivye』はハンプトンズ国際映画祭で上映。2005年には、P.S.122で女優クレア・デーンズのためにソロダンスの振付を担当、HBOのエミー賞受賞映画『テンプル・グランディン』のムーブメントコーチを務めた。サンダンス・インスティテュートのドキュメンタリー映画プログラム・フェロー。

映像作品『Enter the Faun』は、アメリカ国内と海外の映画祭で上映され、ベルギーのエクストラオーディナリー映画祭でグランプリを受賞。次作の『Wonder About Merri』は、Dare to Dance in Public Film Festivalで「Most Daring Film」を受賞。

【山中芽衣】
東京出身のダンサー、振付家。6歳から15歳までクラシックバレエを学ぶ。15歳から高校でヒップホップを始める。高校卒業後、2008年の春から、コンテンポラリーダンスなどを学ぶため、渡米。Dance New Amsterdamで3年学んだのち、フリーランサーとしてニューヨークを拠点に活動している。ニューヨークでは色々な振付家、主にTamar Rogoff、Tiffany Mills、Catheline Galassoなどと活動するほか、自分自身の制作活動も行なっている。2011年には、New York Live Arts、Fresh Tracks、2014年にはChez Bushwickのレジデンシーアーティストに選出される。自分らしい表現、発信をしていきたいと日々活動をしている。




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